兵庫県姫路市役所に勤務していた42歳の女性が、一目惚れした20代男性をモノにしようと、住民記録システムを不正操作し、印刷するなどしていたことが判明。
さらにこの女性は記載された住所を頼りに男性の自宅を訪れ、勤務先と電話番号の書かれた手紙を手渡したそうです。
恋は盲目といえばそれまでですが、かなりの問題行為であることは間違いありません。このような「個人情報の不正アクセス」が簡単にできてしまう環境にも、問題があると言わざるをえないでしょう。
そうなると厳しく罰して欲しいところ。このような行動はどのような罪に問われるのか。法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士に、ご意見を伺いました。
■どのような罪に問われる?
「行為態様によっては別の罪が成立する場合もありますが、本件では報道のとおり個人情報保護条例違反ということになるのではないかと思われます。個人情報保護法の適用範囲に地方公共団体は含まれていないため、同法違反となることはありませんが、地方公共団体が条例を定めていれば、その条例違反ということになります。
ちなみに、職員が第三者に秘密を漏洩した場合には、住民基本台帳法違反として、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります」(清水弁護士)
やはり個人情報を不正に検索し、持ち出したということで、個人情報保護条例違反になるのですね。
■被害男性が申し込みを受け入れていたら?
今回は被害にあった男性が問い合わせをしたため、事態が明るみに出ましたが、仮に愛を受け入れた場合どうだったのでしょうか? 法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士に、ご意見を伺うと…。
「男性が通報しなくても、個人の権利が侵害されるために罪とされているものではない以上、罪の成立には無関係であり、仮に男性が受け入れていたとしても、変わらず違法です。ただ、通報しなければ発覚はしなかった可能性はあると思います」(清水弁護士)
いくら相手が好きだからといって、住民記録システムを不正操作し印刷するのは立派な犯罪行為。女性には猛省を促したいものです。
*取材協力弁護士:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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