夏ですね! 毎日暑いです。暑いと厚着なんかしてられません。当然露出も多くなります。この時期、「痩せたい」「少しでも細く見せたい」、そう考える人も多いと思います。
今年も8月に入り、そろそろ夏も後半戦ですので、あと少し我慢して夏を乗り切り「来年の夏こそは!」と考えるのもひとつですが、「この夏のうちに結果を出したい!」と思う場合につい惹かれてしまうのが、ダイエットサプリやダイエット食品ではないでしょうか。
今回はダイエットサプリやダイエット商品の広告における法的問題点を解説したいと思います。
■健康食品などの広告には法規制がある
「飲むだけで、理想のスタイルに!」「気づけば1週間で-5kg!」「置き換えるだけでラクラクダイエット!」などなど、魅力的な文字が商品の宣伝サイト上に踊っています。
「これさえあれば、すぐに理想のボディになれる?」などと思ってしまいますが、もしそうであれば誰も苦労していないのではないでしょうか。
飲むだけで理想のスタイルになれるのは魔法の国のお話ですし、標準体重の人が1週間で5kgも痩せたら病気を疑うべきです。人が健康的に痩せるには、適切な食事制限と運動、そしてある程度の期間が不可欠です。
しかしながら、そんなことは分かっていても、速攻ラクに痩せたいと、魔法のようなダイエット食品に頼りたくなる気持ちも分かります。
そんな心の弱い私たちが、甘い売り文句に惑わされて、不適切な買い物をしてしまわないように、ダイエット食品のようないわゆる健康食品の広告は、法律で規制されています。
■景品表示法では広告全般を規制している
まず、広告一般を規制する法律として、不当景品類及び不当表示法(景品表示法)があります。
この法律では、一般の消費者に対して商品の品質等の内容が実際よりも著しく優良であると誤解させる表示や、取引条件が実際よりも取引の相手方に著しく有利であると誤認させる表示など、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある広告が禁止されています。
■食品の広告については健康増進法で規制されている
食品の販売に関する広告については、健康増進法が、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示と著しく人を誤認させるような表示を禁止しています。
例えば「飲むだけで誰でも必ず10kg痩せます!」といった表示は、事実と相違することが明らかですし、痩せたくて切羽詰まっている消費者の合理的な選択を阻害するおそれがありますから、これらの法律に違反していることになります。
このように、それさえ摂取すれば簡単にラクして痩せられるかのような広告は法律で規制されているのですが、それでも実際には魅力的すぎる売り文句が溢れています。
どうしても誘惑に駆られて商品に手が伸びてしまいますが、ダイエットには適切な食事制限と運動が欠かせないということを忘れずに、ダイエット食品はあくまで栄養補給のためのものであると理解した上で、上手に利用したいですね。
*著者:弁護士 伊東有理子(丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士。国税審判官としての勤務経験あり。離婚から企業法務まで幅広く精通し、依頼者に最良の結果をお届けできるよう日々努める。)
【画像】イメージです
*Kazuhiro Konta / PIXTA(ピクスタ)
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