「脱サラして自分のお店を持ちたい!」
でも、自分には飲食店経営のノウハウはないし、初期費用もどれくらいかかるかわからないから不安でなかなか踏み出せない。
実は、そんな不安を軽くして夢を実現できる可能性があるのが、近年再注目されているフランチャイズです。
今回は、そんなフランチャイズのメリットやデメリットを解説します。
■脱サラするとういことの意味
まず、「脱サラ」をした場合、働く環境等はどのように変化するのでしょうか。
(1)指揮監督
会社員(=給与所得者)は、雇用主の指揮監督を受けて雇用主のために経済活動を行いますが、「脱サラ」をすると、雇用主の指揮監督を受けずに、自分のために経済活動を行うことができるようになります。
(2)給与の有無
会社員は、雇用主から、労働の対価として一定の給与の支払を受けますが、「脱サラ」をすると、自分のために行う経済活動によって収入を得ることができるようになります。
(3)社会保険の種類
会社員は、原則として、協会けんぽや各社会保険組合に加入し、社会保険料は給与から控除される形で支払いますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、国民健康保険に加入し、自分で国民健康保険料を支払うようになります。
(4)年金の種類
会社員は、その多くは、国民年金と厚生年金に加入しますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、国民年金に加入します。
(5)税金関係
会社員の所得税は、雇用主が行う源泉徴収によって支払いますが、「脱サラ」をして、個人事業主として経済活動を行う場合には、確定申告をして、自分で支払います。
■FC店にはどんなメリットがある?
FC店には次のようなメリットがあるといわれています。
(1)独立性
FC店は、直営店や従業員とは異なり、あくまで独立した事業体としてお店を経営できます。
経営上のリスクもありますが、反面、自分で働いて得た収益を自分で得ることができます。
(2)本部のグッドウィルと経営ノウハウの利用
FC店は、本部がそれまでに確立してきた商標や営業の象徴となるもの(≒グッドウィル)の付与を受け、優れたシステムやノウハウを利用することができます。
また、FC店は、経営方法についても、本部から指導や援助を受けることができます。
(3)リスク回避と時間の節約
FC店は、既に本部が開発して成功したお店の商標や経営のノウハウを利用できるため、事業の成功可能性は独自に事業を起こすよりも高く、経営リスクが低い上、独自に事業を起こすことに比べて時間を短縮することもできます。
(4)資金の節約
開業資金も、独自に店舗を設計し建設する場合よりも、一般的に少ないといわれています。
■FC店にはどんなデメリットがある?
FC店の最大のデメリットは、フランチャイズに縛られるということです。
FC店は本部とは独立の事業体ではありますが、FC店は、本部の商標等や経営のノウハウを用いて、同一のイメージのものとに事業を行う権利が与えられるものですので、これに反するお店の経営をすることはできません。
また、本部によって、これら権利が付与されるフランチャイズ契約が一方的に解約されたり、契約の更新を拒絶をされてしまうなど、FC店を継続できなくなる問題が生じてしまう可能性があります。
不測の問題に巻き込まれないためにも、FC店を始めたいという方は、本部とのフランチャイズ契約をする前に、その内容につき、弁護士等の専門家に相談することが重要です。
あなたも「脱サラ」して自分のお店を持つ、その形の一つとしてのFC店を経営するという選択肢を検討してみてはいかがですか。
*著者:弁護士 牧野孝二郎(交通事故、労働災害、企業法務分野を扱う。この弁護士とであれば一緒に戦っていける・安心できるという印象を持てるような弁護士でありたいと思っています。)
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