ファミレスにドリンクバーだけで長居する客…追い出すことはできる?

TwitterのまとめサイトのTogetterにて、あるファミレス店舗が、勉強する学生に向け、勉強すること自体は構わないが混雑時には食事をするお客さんを優先してほしい旨を丁寧にお願いしたメッセージプレートが紹介されていました。

Togetter上ではこのメッセージに対する好評の意見が多数でしたが、料理やドリンクを注文している以上、勉強したり、長居するのは自由だという反対意見もあるかもしれません。

そこで、今回は、ランチやディナータイムなどの混雑時の時間帯に勉強禁止や滞在時間制限を行うことができるか、また、さらに進んで、お店側が勉強しているお客さんを追い出すことができるかという点を解説したいと思います。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■どのような制限を設けても原則としてお店側の自由

結論から言ってしまえば、店舗内でのお客さんに対する行為をどのように制限しても原則としてお店側の自由です。お店側に合理的・正当な理由も必要ありません。

ですから、ランチタイムなどの混雑時に限らず一律勉強禁止にしても、お客さん側は「料理を注文しているから提供待ち時間の間だけでも勉強させろ」ということはできません。

ファミレスに限らず、たとえば、

・店舗内待合わせ禁止(全員そろってから入店)の飲食店

・混雑時個別会計不可の大学近くのカフェ

・すでに飲酒している人は入店禁止の居酒屋

・ワインを飲まない人は入店お断りの飲食店

・クリスマスにカップル入店拒否の飲食店

・肉の焼き上がり時間に合わせての来店を要望する飲食店

など、お客さんの行為等に条件を付すお店があります。

 

■お店側による制限が違法となる場合

上記のように、どのような制限・条件を付しても基本的にはお店側の自由なのですが、過去の事例として、理由のいかんを問わず外国人の入店を一律に拒否したことが違法とされたケースがあります。

原則としてお店側にはお客さんを選べるとしても、行き過ぎた合理的理由なき差別は許されないということです。

微妙なケースの例としては、盲導犬の入店拒否の問題があり、施設の性格、スペース等を考慮し、お店側に盲導犬を入店させることが著しく酷な場合でなければ違法となる可能性があります。

お店側は、お客さんの行為等への条件をお店の特色とし、それをお店の売りや宣伝にしていることがあります。

お客さんは自由にお店を選ぶことができますので、明白に不当な扱い・差別を受けた場合は別として、いちいち個々のお店の付す条件等に目くじらを立てずにいたいですね。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)

【画像】イメージです

*Kazuhiro Konta / PIXTA(ピクスタ)

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木川 雅博 きかわまさひろ 弁護士

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

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