今では、広く知られるようになったフランチャイズ。
フランチャイズといえば、コンビニやファストフード店などのイメージがあるかと思いますが、実は、日本の最初のフランチャイズチェーンは1963年に設立されたダスキンであるといわれています。
また、現在では、小売業、外食業及びサービス業の様々な業種でフランチャイズチェーンが展開されており、フランチャイズチェーン全体の売上高は、2015年度では約24兆5945億円と非常に大きな市場となっています。(※1)
■そもそも、フランチャイズって?
フランチャイズの定義は、様々ですが、今回は一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の定義をご紹介します。
『フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう』としています。
本部企業には、低コストで安定した事業を展開できるメリットがあり、加盟店側には、本部企業のネームバリュー・イメージを利用することができ、事業経験がない場合や、事業経験が少ない場合でも比較的容易に新規の事業を開始できるというメリットがあります。
これに対し、いわゆる直営店のように、ひとつの本部企業が、店舗を作り、従業員を雇用して営業するものをレギュラーチェーン(以下、直営店)といいます。
多くのチェーンでは、直営店とフランチャイズチェーン(以下、FC店)の両方が展開されているのではないかと思いますが、消費者から見ると、チェーン展開されている店舗が直営店なのか、FC店なのかは、一見してもわからないようになっています。
■FC店と直営店の違いについて
FC店と直営店との最大の違いは、直営店が、本部企業が直接管理・経営するものであるのに対し、FC店は、あくまで本部とは別の事業者(いわゆる加盟店)が管理・経営していることにあります。
■直営店とFC店で働く従業員には何か違いがある?
では、アルバイトを含めた従業員から見て直営店とFC店との間で、何か違いはあるでしょうか。
最大の違いは、やはり雇用主の違いになります。
従業員の雇用契約の主体は、直営店では、本部企業になるのに対し、FC店では、加盟店になります。そのため、雇用条件は、直営店と加盟店とで同じということはありません。
職場環境としては、直営店は、店長も本部企業の従業員であり、店舗の売上成績等が店長の評価に直結して店長の出世にかかわるため、FC店に比べて一般的にルールに厳しい、などということが指摘されています。
また、店長がある程度短期間で変わってしまうこともあるようです。
他方でFC店は、本部企業との間の契約で、同一イメージの元に事業を展開しているものの、職場の雰囲気はひとえに加盟店オーナーの人柄等に大きく左右されることになりそうです。
ここ数年で、さらに数が増えてきており、改めて注目されているフランチャイズチェーン。あなたも注目してみてはいかがでしょうか。
※1 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会『2015年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告』
*著者:弁護士 牧野孝二郎(交通事故、労働災害、企業法務分野を扱う。この弁護士とであれば一緒に戦っていける・安心できるという印象を持てるような弁護士でありたいと思っています。)
【画像】イメージです
*kikuo / PIXTA(ピクスタ)
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