不倫が原因で懲戒処分を言い渡された…こんなことってアリ?

芸能界では不倫スキャンダルで活動休止に追い込まれるタレントが数多く存在する昨今、イメージが大切な芸能人にとって不倫は大きなマイナスイメージになります。

ただ、一般の会社員が不倫など業務に直接関係のない不祥事を起こしてしまった場合、会社から何かお咎めを受ける可能性はあるのでしょうか? また、その処分に違法性はないのでしょうか?

Q.不倫など業務外の行為で処分……それって合法なの?

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A.原則として不倫など業務外の行為で懲戒処分を下すことはできません。ただし、社内不倫の場合は懲戒処分を受ける可能性があります。

そもそも、夫婦は貞操関係を守らなくてはならない(他の異性と肉体関係を持ってはならない)ため、不倫は不法行為になるといえます。

しかし、これは民事上の問題であって、あくまで不倫をされた側が当事者に損害賠償を請求できるという事に過ぎません。

不倫とはいえあくまで「私生活上の行為」ですので、不倫をした事実のみをもってして会社はその従業員に懲戒処分などを課すことはできないのです。

ただし、不倫が社内で行われた場合には例外的に懲戒解雇などが認められる場合があります。

長野電鉄事件という裁判例では、バスの運転手が女性の車掌と社内不倫関係にあり、女性を妊娠中絶させたというケースなのですが、この場合は、就業規則に定めのある懲戒解雇事由である「社内の風紀・秩序を乱して会社の体面を汚し、損害を与えたとき」に該当し、懲戒解雇処分は有効であると判断されています。

懲戒処分を課されないにせよ、社内での不倫関係が発覚するとその職場にいるのは非常に気まずくなってしまいます。そもそも不倫自体が不法行為ではありますが、特に社内での不倫は双方のキャリアにまで大きな影響を与えかねないため、絶対に避けた方が良いと言えるでしょう。

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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*AH86 / PIXTA(ピクスタ)

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