産休や育児休業の制度を活用するのはスムーズな出産・子育てのためには必須と言えるでしょう。
特に待機児童の問題が深刻化している首都圏にお住いの方にとっては、保育園に入れない期間、会社が育児休業を延長してくれるのとそうでないのでは大きな違いがあるでしょう。
さて、では育児休業は問題なく取得できたとして、ボーナス(賞与)は受け取ることはできるのでしょうか?
毎月の給与は働いていないから貰えないのはしょうがない気もしますが、ボーナスについてはどういう取り扱いになるのでしょうか?
Q.産休・育休中にボーナスの支払日が……もらうことはできる?
A.会社の定めによりますが、賞与の算定期間に働いていたのであればもらえる可能性もあります。
通常、会社の賞与に関する取り扱いは就業規則(特に賃金規程や賞与規程など)に定めがあります。
賞与の支給に関しては、法律ではなく社内の定めに従うことになるため、産休や育休をしている間にボーナスが出るかどうかは個別企業によって様々です。
そこで、ここでは賞与がもらえるかどうか会社の規程をチェックするポイントを2点ご紹介します。
■1.賞与の算定期間
賞与には算定期間(いつからいつまでを賞与額の参考にするか)が設けられているのが通常です。まずはこの算定期間に自分が働いていたかどうかを確認しましょう。
■2.賞与の支給要件
賞与には通常「在籍日要件」というものがあります。これはつまり算定期間に働いていたとしても、賞与の支給日に在籍していなかった場合(退職など)には賞与は支給されないという要件です。
ただ、産休や育休を取得していても在籍していることにはなるため、この要件は問題になりません。一方、「賞与は、算定期間の全期間を勤務した者を対象とする」などという記載がある場合は要注意です。
これはつまり、算定期間の途中で勤務に抜け(産休や育休を含む休職など)があると賞与の対象外になってしまうという決まりです。
よって、例えば賞与の算定期間が「1月から6月」と定められているときに、5月から産休に入ってしまったとしたら、この決まりがある会社では賞与を受け取ることはできないのですね。
ただ、裏返して言えばこのような決まりがない会社では、算定期間のうち勤務していた部分については賞与を受け取る権利があると言えます。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
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