11月30日に、権利者の許可なく、書籍を電子データ化し販売を行う、いわゆる“自炊”を代行する業者が逮捕されたという報道がなされました。
差止や損害賠償などを求める「民事」の事件はこれまで何度か報道されましたが、逮捕など「刑事」の事件が報道されたのは今回が初のようです。
“自炊”で逮捕に至るのか、疑問に思われるか方や不安をおぼえる方もいらっしゃると思いますので、今回は“自炊”の問題点についてまとめてみます。
■そもそも「自炊」ってどんな行為?
“自炊”とは、本や雑誌などをスキャナなどを使ってデジタルデータにする行為です。タブレット端末などの普及により、本や雑誌をデジタルデータとして閲覧することがますます便利となりました。また、デジタルデータは場所をとらないのでスペースの節約ができ、劣化もしません。
このような理由から、手持ちの本や雑誌をデジタルデータ化する行為、つまり“自炊”は一般的なものとなっています。
ただ、“自炊”の作業は楽ではありません。一般的な“自炊”の方法は、背表紙を裁断するなどしてページをばらばらにし、それをスキャナに流すというものです。
一冊だけでもそれなりの労力を使うものですから、これを膨大な量の本や雑誌について行おうとすると、かなりの手間と時間がかかってしまいます。
そこで登場したのが“自炊”の作業を本人に代わって行うとする業者で、これが「自炊代行業」と呼ばれるものです。
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