国民的に人気のあるアイドルグループAKB48は、恋愛禁止ルールが有名で、過去には俳優との交際が発覚したメンバーが丸坊主になって謝罪するという騒ぎがありました。
一般の会社でも就業規則に「社内恋愛禁止」を掲げているところは実際に存在しています。では、このような規則に反して社内恋愛をして、それが会社にばれてしまった場合、果たして降格や解雇などの処分を受けなければならないのでしょうか。
今回はこの点について考えてみたいと思います。
■「社内恋愛しただけ」での処分は違法
社内恋愛禁止の目的は、会社内の風紀や秩序が乱れるのを防ぐことにあります。そして、そもそも、恋愛は本来個人が自由に行えるものです。
ですので、同じ会社の人間同士が単に恋愛関係になっただけで、会社の業務との関係で何ら問題を起こしていない場合にまで処分をすることは、違法となります。当然、降格や解雇処分は無効となります。
■実際に社内恋愛が元で問題が起きれば処分も可能
しかし、社内恋愛のために業務怠慢が続くであるとか、会社内で恋人同士が不適切な行為をしていたりしていた場合は話は別です。降格や配置転換などの処分が可能となりえます。
実際に、社内恋愛を理由とする解雇が認められた例もあります。とあるバス会社で、妻子ある運転手とバスガイドの間の不倫交際、妊娠中絶が発覚し、バスガイドが退職。求人に悪影響をもたらしたうえ、会社の評判も落ちてしまったという件で、裁判所は運転手の解雇を有効と判断しました(東京高等裁判所昭和41年7月30日判決)。
この件で会社側が行ったのは普通解雇でしたが、裁判所は懲戒解雇事由に該当すると認定しました。
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