損害保険ジャパン日本興亜(SJNK)など3社が、『ネット炎上対策パッケージ』の提供を2016年12月1日から提供することが、11月16日に発表されました。
ニュースリリースによると、24時間365日体制の「Webリスクモニタリング」サービスの利用を基本とし、万一、炎上等が発生した場合は「ネット炎上対応サービス」、「緊急時マスコミ対応支援サービス」を提供するとともに、緊急対応のための費用の90%を補償するというもののようです。
このサービスに対しては、「意地でも炎上させたくなる」といったネットの声もあるようですが、実際のところどうなのでしょうか。炎上対策に関する基礎的な考えを含めて解説したいと思います。
■炎上の予防は難しい
炎上は、「これはひどい」といった感想・感情を抱いた際に発生していることが通常です。
そのため、「そのような感想や感情を抱かせないような行動を取ればよい」と抽象的には言えるわけですが、不意な事故、従業員による勝手な行動など、企業としていくら注意をしていても不可避的に発生してしまう不祥事などがあります。
また、広告など意図的に人の記憶に残るようにするため、“ギリギリ”を狙うこともあるでしょうが、世論はこれを“やり過ぎだ”と評価してしまうこともあります。
このように、様々な要因により炎上が発生するようになっており、実際上、炎上を“予防”することは難しく、もはや炎上は企業として不可避的な状況になっています。
■炎上対応の基本は「初期消火」
炎上に対応するためには、いかに初期消火ができるかが重要です。
そのためには、炎上を火種の時点で把握し対応できる必要があるわけですが、そのためにはネットを常に監視することが必要不可欠です。
そして、実際に起きてしまった炎上トラブルについては、情報発信の方法に注意を要するほか、リリース作成、想定問答集の作成、場合によって記者会見の設定などが必要になってきます。
『ネット炎上対策パッケージ』の内容はこの辺りの基本を押さえたサービスになっているようです。その意味で、このサービスの導入は、一つの安心材料にすることができると言えると思います。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
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*farmer / PIXTA(ピクスタ)
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