■筆界特定手続って何?
Aさん「スズキ弁護士、境界確定訴訟のことは何となくわかった気がします。でも、さっきおっしゃていた筆界特定手続って何なんですか?」
スズキ弁護士「筆界特定手続というのは、裁判所ではなくて、筆界特定登記官という法務局の役人が登記簿上の土地の仕切りとしての境界線を特定してくれる制度だよ。
裁判所は、公平で中立的だけど、訴訟をすると時間がかかってしょうがない。そこで、手早く登記簿上の境界線を確定するために、行政機関である法務局に登記簿上の境界線を特定してもらおうとしているのがこの手続だよ。この手続も、筆界特定登記官という役人さんが勝手に境界線を決めるのではなくて、専門家(筆界調査委員)の調査を踏まえて登記簿上の境界線を特定するんだ。
ただし、この筆界特定手続を利用したとしても、境界確定訴訟を提起することができるんだ。そして、境界確定訴訟の判決が確定したら、筆界特定手続で決まった境界線はその判決と矛盾する範囲内で効力を失うことになるんだよ。」
Aさん「スズキ弁護士、お話しありがとうございました。引き続き、お隣りさんとの訴訟をよろしくお願いします」
*著者:弁護士 鈴木謙太郎(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」)
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