近年、高速道路の逆走事故が多発しています。事故原因として、高齢者の不注意が指摘されていますが、それだけではなく、インターチェンジで間違ってしまいバックするなどの事故も多数報告されています。
なお、高速道路を逆走したとしても、事故を起こさなければ刑事罰はありません。その場合は、道路の左側を走るべきだという交通規則に違反しただけなので、行政罰だけで済みます。普通車の場合、2点減点され、9,000円の反則金を支払うだけです。
しかし、逆走したことによって事故を起こし、人を死傷させると、行政罰だけではすみません。自動車運転過失致死傷罪となり、7年以下の懲役または罰金に処せられます。これは、懲役または罰金ですので、刑事罰となります。
■逆走した場合の損害賠償金はどうなる?
また、民事上の責任も負うことになり、多額の損害賠償金を支払うことになります。
通常の交通事故の場合は、被害者側の過失も考慮され、損害賠償額が減額されることもあります(過失相殺と言います)。
しかし逆走事故の場合は、逆走した加害者が100%悪いと判断されることが多く、過失相殺されることはほとんどありません。
交通事故の致死率は平均2%程度ですが、逆走事故の場合は12%と極端に跳ね上がります。これは、逆走車と順走車の速度差が大きく大事故になる可能性が非常に高いためです。そのため、法律が改正され、わざと逆走した場合の事故の罰則が強化されました。
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