■母親の養育が重大な影響を及ぼすとは限らないとした判例も
最近の裁判例でも、「1歳未満の時期に母親に養育されなかったからといって直ちに発育上重大な影響を及ぼすとは限らないのであって、事件本人を父母いずれの監護養育の下に置くのが相当か(は)、…事件本人を取り巻く双方の保護環境等についてのより詳細かつ具体的な資料を収集した上で、実情に即した判断が必要である。」としています(仙台高裁秋田支部平成6年5月17日決定)。
以上のとおり、子の親権をめぐる争いにおいては、裁判所に対して、子を引き取った場合の養育環境等を提示したうえで、子の福祉の観点からは自分こそが親権者に適任だということを具体的にアピールすることが重要となります。
*この記事は2015年7月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
【画像】イメージです
*perhapzz / PIXTA(ピクスタ)
【関連記事】
*5歳の子供を連れて別居検討中の妻が、夫とスムーズに離婚するための2つのポイント
*夫がダブル不倫の末に相手を妊娠、あげく家を飛び出し離婚を迫ってきた…妻が取るべき行動とは?
*【離婚後の問題】お金持ちと再婚した元妻に、養育費を支払い続ける義務はあるのか
*急増中のスマホ離婚。「スマホいじり」は離婚原因として法的に認められるのか?
*義理の両親が原因で離婚…子供のための親権や養育費はもらえるの?
- 1
- 2