タレントのベッキーさんと人気バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカルの川谷絵音さんとの間の不倫騒動が世間をにぎわせています。
ベッキーさんとしては、川谷さんはただの友人で、不倫関係にはなかったと会見では語っていました。
ただ、報道によると、ベッキーさんは川谷さんと二人で川谷さんの実家を訪ねたり、ホテル内でのツーショット写真や離婚届けを卒論と表現したLINEのやり取りなども公開されているとのことです。
ベッキーさんは不倫を否定していますが、仮に、川谷さんの奥さんがベッキーさんを相手に不貞行為に基づく慰謝料請求をした場合には、川谷さんの奥さんの請求は認められるでしょうか。
●不貞行為の立証は可能か?
不貞行為に基づく慰謝料請求が認められるためには、請求する側で不貞行為の存在を立証しなければなりません。
通常、不貞行為の瞬間を撮影した写真やビデオは存在しないので、それ以外の間接的な証拠によって不貞行為の存在を立証していくことになります。
不貞行為を立証するための間接的な証拠とは、たとえば、二人でラブホテルに入るところの写真とか親密な内容のメールのやり取りなどが挙げられます。
大人の男女が二人だけでラブホテルに行くということは、性行為を目的とする以外には考えられないので、不貞行為の存在が強く推認されることになります。
一方、ラブホテルではなく、ビジネスホテルや旅館の場合には、性行為だけを目的としているとは直ちには言えないとは思います。
ただ、大人の男女二人が同じ部屋に泊まるということは、そこで性行為が行われていたであろうことを容易に想像することできますので、やはり不貞行為の存在を立証する証拠となり得ると考えます。
●今回のケースではどうなるのか?
ベッキーさんの場合、泊まったホテルの種類は分かりませんが、川谷さんと同じ部屋で撮られた写真があるということなので、不貞行為を推認する証拠になり得ると思います。
さらに、親密な内容のLINEのやり取りもあるとのことですので、ベッキーさんと川谷さんとの不貞行為の存在を立証することは可能かもしれません。
ベッキーさんが川谷さんの結婚を知らなかったとすれば、ベッキーさんは不貞行為の認識がないということで慰謝料の支払義務を免れます。
ただ、報道によると、ベッキーさんは川谷さんとの間で離婚届を卒論と表現してLINEのやり取りをしていたとのことですので、川谷さんが結婚していることを知らなかったということはないでしょう。
以上のとおり、仮に、川谷さんの奥さんがベッキーさんに対して不貞行為に基づく損害賠償請求をした場合には、川谷さんの奥さんの請求が認められる可能性があるということになります。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)