今後「DNA鑑定」は重要視されていくのか?

最近、元光GENJIの大沢樹生氏が長男は自分の子ではないと訴えていた裁判で、東京家裁は大沢さんの訴えを認め、大沢さんと長男とは親子ではないとする判決を下しました。

判決では、大沢さんが生物学的な父親ではないとしたDNA鑑定の結果が重視されました。

この点、民法722条2項では、婚姻から200日を経過してから(婚姻後201日目以降に)生まれた子どもは父親の子であると推定されます(いわゆる「嫡出推定」)。

しかしながら、大沢さんの子は、婚姻からちょうど200日目に生まれているため、上記の推定が及びませんでした。

仮に、大沢さんの子が婚姻から201日目に生まれ、上記推定が及んでいた場合には、DNA鑑定の結果にもかかわらず、長男は大沢さんの子(嫡出子)であると判断された可能性はあります。

ただ、医学的・生物学的に父子関係を立証できなかった民法制定時とは異なり、現在では、DNA鑑定により父子関係を立証することは容易になりました。

ですので、客観的に大沢さんの子ではないというDNA鑑定結果があるのにもかかわらず、裁判所がその鑑定結果を採用せず、上記推定規定を根拠に長男が大沢さんの子ではない、との判断をする可能性は低かったかもしれません。

今後も、親子関係不存在確認の訴えでは、DNA鑑定の結果が重視されることは間違いないでしょう。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

*著作権: Vit Kovalcik

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

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