日々作られている「パクリサイト」の運営者はどんな責任を負うのか

先日、パクリサイトをインターネットから消し去る具体的な方法という記事を書きましたが、実際に自分のサイトの内容がパクられている、類似したページを作られたといった相談はしばしば寄せられます。

普段何気なく見ているサイトが、実は誰かの作ったサイトの丸パクリされたサイトだったことがあるかもしれません。しかし、普通に見ているだけではそのコンテンツがパクられたものとはなかなか気づかないでしょう。

気づく人の多くはオリジナルのサイトを運営している本人です。パクられた側としてはパクった相手になんらかの罰を与えたいと思うかもしれませんが、パクリサイト運営者側はどのような責任を負うことになるのでしょうか。

De VisuパソコンPC

■著作権法違反

パクリサイトと一口でいってもウェブページを丸ごとパクるというもの、一部コンテンツをパクるもの、というように色々な類型があります。

ウェブページ全体ということでいうと、いろいろな情報、写真その他の素材により構成されているため、編集著作物ということができます。そのため、丸ごとパクっているものについては編集著作物の侵害ということができるでしょう。

また、一部コンテンツをパクっている場合、その内容に創作性があるものであれば、その内容自体に著作権が生じているということができます。したがって、一部をパクった場合でも著作権侵害を主張する余地があります。

そして、より具体的に言えば、コピーした時点で複製権侵害となり、それをネット上に公開すれば公衆送信権侵害となります。

 

■不正競争防止法

自分のサイトを丸パクリしているサイトで、かつ商号や商標が同一か、誤認されるような類似したものが使われている場合もあり得ます。

この場合、不正競争防止法違反となる可能性もあります。

 

■被害者が採り得る手段は

侵害があれば、損害賠償請求を受ける可能性があります。損害がいくらになるかはケースバイケースではありますが、著作権法には損害額の推定規定があり、侵害行為がなければ販売等できた利益の額を損害とすることができます。

したがって、そのコンテンツが収益を生むものであった場合には、損害額が大きくなる可能性があります。

また、侵害をしているサイトに対して、差し止めを請求することも可能です。

さらに、著作権侵害やふ不正競争防止法は刑法規範でもあるため、侵害をされた者は告訴をすることができます。ウェブ媒体の場合には警察がなかなか動いてくれないという問題はあるものの、あまりにひどい態様のものであれば、警察も動いてくれる可能性があります。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

*画像:De Visu

清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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