「絶歌」の発売やホームページの立ち上げで注目される「元少年A」。
とある雑誌によれば、「元少年A」は、改姓改名を行っており、事件当時の氏名とは全く別の氏名を名乗っていることが判明したそうです。人は一般的に婚姻や離婚で氏が変わる以外は、その氏名を変更することはまずありません。
そこで、今回は、氏と名の変更の手続一般や、氏の変更に関する前例などについて、解説していきたいと思います。
■氏名の変更手続
戸籍法によれば、氏についても名についても、一定の要件の下で変更することが可能となっています。
名については、名を変更することについて「正当の事由」がある場合に家庭裁判所の許可を受けることによって、変更が可能です。
具体的には、珍奇・難読のケースや異性と紛らわしい名前、性同一性障害による性と名の不一致があるケースなどで認められるます。また、このような事情がない場合でも、長年通称として社会的に通用している名前への改名も認められます。
一方、氏の変更については名の変更よりも要件が厳しく、「やむを得ない事由」がある場合に限り家庭裁判所の許可を受けることによって変更が認められます。具体的には、氏の変更をしないとその人の社会生活に著しい支障をきたす場合とされています。
氏の変更が名の変更に比べて要件が厳しくされているのは、氏が親族関係を表すものであるため、婚姻や養子縁組などの身分関係の変動を伴わないケースで安易に変更を認めることにより、戸籍の秩序や一般の権利義務の法的秩序に混乱をきたすからなどと考えられています。
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