「SNSストーカー」で逮捕・・・なぜ本来適用されない「ストーカー規制法」は適用されたのか

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■ただ、適用する方法はある

では、本件ではどうやって適用したのでしょうか。

報道によると、男性は、SNSで性的な内容を含む、名誉を傷つける書き込みを1か月ほどの間に20回あまり繰り返したり、高校の文化祭に押しかけたりしていたとのことです。

ストーカー規制法では、「性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置」くことや、「学校…に押し掛けること」を「つきまとい」としています。

性的内容で名誉を傷つける書込みを繰り返すことは前者の規制にあたり、文化祭に押しかけることは後者の規制にあたります。

そこで、ストーカー規制法の適用ができるということになります。本件でも、このようにしてストーカー規制法を適用したものと思われます。

 

■名誉毀損罪に当たらないのか?

ところで、SNSで性的な内容を含む、名誉を傷つける書き込みを1か月ほどの間に20回あまり繰り返したということなので、これは内容によって名誉毀損罪にあたる可能性も十分あります。

しかし本件では名誉毀損罪の適用をしていないようです。これには何か理由があるのでしょうか。

この点ははっきりとした理由は分かりませんが、スピードを重視したではないかという気がします。

名誉毀損の場合は刑事課が担当するのが通常ですが、ストーカー規制法の場合は生活安全課が対応します。

通常、一般の方が被害相談に行く際は、生活安全課が話を聞くことになるため、生活安全課が対応するのがスムーズだったという事情があるのではないかと思います。

また、つきまといに当たるかどうかという判断は、名誉毀損にあたるかどうかの判断よりも比較的容易と思われ、ストーカー規制法の方が適用がしやすいだろうと思料されます。

そして、学校に押しかけていたということもあるので、緊急性があると判断された結果、ストーカー規制法での立件となったのではないでしょうか。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

* Graphs / PIXTA(ピクスタ)

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