最近、一見全裸に見えるようなポーズをした後、「安心してください、履いてますよ。」と言ってビキニパンツ姿を見せる、とにかく明るい安村という芸人が人気を博しています。
テレビで放送されていますし、少し前には同じくビキニパンツ姿の小島よしおもいましたから、直感的にビキニパンツ姿で公然と登場しても犯罪ではないと思うでしょう。
もっとも、彼らのようなビキニパンツ姿で街中を歩く行為は一切違法ではないのか。今回は、露出はどこまで許されるのかについて解説したいと思います。
●男性のビキニパンツ姿は公然わいせつには当たらない
実務の運用上、性器または性器に準じる場所を露出しなければ公然わいせつ罪における「わいせつ」には当たらないと考えられており、男性がビキニパンツ姿で歩いていたとしても公然わいせつ罪で逮捕されることはないといえます。
他方、女性がトップレス姿で歩いていた場合は「わいせつ」に当たるでしょう。
●ただし軽犯罪法違反にはなる
公然わいせつにならないからといって「安心してください。」とはいえません。
軽犯罪法1条20号は、公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、もも、その他身体の一部を露出することを禁止しています。
したがって、ビキニパンツ姿で街中を歩いていた場合、軽犯罪法違反として科料または拘留の刑に処せられてしまうおそれがあります。
その年ブレイクした芸人のネタは忘年会や結婚式の芸で使われることが多いですが、とにかく明るい安村さんのまねをする際はビキニの面積を小さくしすぎて軽犯罪法違反やセクハラだと言われないように気をつけたほうがいいですね。
*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)
*画像:PeJo