増加する「特殊詐欺」・・・被害を防ぐ最も効果的な方法とは?

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●「特殊詐欺」って何?

警視庁のホームページによると、特殊詐欺とは「不特定の方に対して、対面することなく、電話、FAX、メールを使って行う詐欺」と定義されています。

そして、大きく分けると「振り込め詐欺」と「振り込め類似詐欺」に分けられ、振り込め詐欺には「おれおれ詐欺」や「架空請求詐欺」など部類の詐欺が、振り込め類似詐欺には「金融商品詐欺」や「ギャンブル必勝法詐欺」などの部類の詐欺が含まれます。

特殊詐欺は依然として被害が発生しており、平成26年中、都内では、被害額が約80億円、全国では約565億円となっています。

依然として発生し続ける特殊詐欺ですが、詐欺に遭わないようにするにはどのようにすればよいのでしょうか。

 

●「不安型」「欲望型」の2パターンに騙される

詐欺に遭うパターンとしては大きく2つに分けられます。命名するとしたら、一つは「不安型」、もう一つは「欲望型」です(なお、この名前は私が命名したので、別の正式な名前があるということであればご容赦ください)。

不安型とは、主におれおれ詐欺、架空請求詐欺などが該当します。「会社の金を使い込んでしまった」や「このままでは民事訴訟等を提起いたします」などという文句でターゲットを不安にさせることで金銭を出させる手口です。

一方欲望型とは、還付金詐欺やギャンブル必勝法詐欺などが該当します。「還付金が戻ります」「確実に値上がりします」「素敵な女性と出会えます」などという文句でターゲットの欲望をあおり、その結果金銭を出させる手口です。

このように、不安型と欲望型に分類はしたものの、両者とも冷静な判断能力を失った状態に陥ってしまう点では同じです。犯人グループ内では、ターゲットとなる人間を、冷静に物事を判断できない状態に陥らせるためのトークの訓練を受け、また、トークマニュアルも完備しています。

犯人は下手な営業マンよりよっぽど弁が立ちます。ですので、いまだに詐欺被害が減らないのです。

 

●被害を防ぐ効果的な方法

被害を防ぐ方法ですが、特別に新しい方法があるわけではありません。言い古されているのですが、一番効果的なのはとにかく「第三者に相談する」ことに尽きます。第三者に話すことによって、時間的な余裕ができ、冷静さを取り戻すことができます。そうすれば、「どこかおかしいぞ」と気づくことができ、結果、詐欺に遭うことを防ぐことができるのです。

親族や友人・知人に話すことが難しいようであれば、守秘義務のある弁護士に相談してもいいでしょう。最近は無料相談をやっている弁護士もいますし、弁護士会などでは無料電話相談なども行っています。

最終的には大事な財産を守れるのは自分しかいません。少しでも怪しいと思ったら、勇気をもって誰かに相談するようにしましょう。

 

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

*irodori / PIXTA(ピクスタ)

山口 政貴 やまぐちのりたか

神楽坂中央法律事務所

東京都新宿区津久戸町4-1 ASKビル2-B号室

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