●気づいた時点によって結論が変わる
まず、注文した料理と違うものが出てきたけれど、食べ終わるまで本当に気がつかなかった場合があります。
料理Aを頼んだのに料理Bが来たということはお店のほうが契約どおりの料理を提供していないということになりますし、本当に気がつかなかった場合は料理Bを料理Aの代わりに提供されたことを承諾していないことになりますから、法的には料金を支払う必要がありません。
他方、途中で料理Aではなく料理Bが来たことに気づいていたり、当初から気がついていたけれどもお店の人が行ってしまって言いだせなかったりしたときは、料理Bを料理Aの代わりに提供されたことを承諾したといえますので、料理Bの料金(あるいは料理Aとの差額)を支払う必要があるでしょう。
●実際に「違う料理が来た」と言って支払いをしないことができるのか
注文した料理と違うものが来たことに本当に気付かなかった場合でも、「もう手をつけてしまったし本当に支払わないことができるのだろうか」と思うかもしれません。
そういうときは、まず伝票ではどうなっているのかを確認し、注文した料理のオーダーが入っていれば、お店も応じてくれやすいでしょう。
しかし、注文していない料理のオーダーが入っていたときはお店によって対応が違ってくると思います。本来は支払わなくともよいのですが、立証の困難性、そのお店とトラブルになっても構わないか、一緒に食事をしている人との関係性・性格などを考えると、料金を支払ってしまったほうが結果的に低コストかもしれません。
*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)
*naka / PIXTA(ピクスタ)
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