■通称「迷惑メール防止法」とは
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律特定電子メール法」という法律があります。この法律は、特定電子メール法と略されるのが通常ですが、より一般的には、迷惑メール防止法などと言われています。
この法律では、営利広告・宣伝のためのメールを「特定電子メール」としており、送信を求めるか、同意した者等以外には、このようなメールの送信をしてはいけないと定めています。
たとえば、ネットショッピングをした場合などに、そのショップからのお知らせを受け取るかどうかのチェックボックスが出てくることがあると思いますが、これはこの法律に基づくものです。
また、送信者情報を偽った特定電子メールの送信をしてはいけない、多数のメールの送信をする目的で架空電子メールアドレスをあて先とするメールの送信してもいけない、と定めています。
送信先を偽っているというのは、英数字の羅列で意味の通っていないアドレスから送られてくる迷惑メールがありますが、典型的にはそれを指しています。
そして、このようなメールは、自動生成したアドレスに大量に送りつけるプログラムになっているのが普通なので、送信できないメールも大量にあります。そのため、多数のメールの送信をする目的で架空電子メールアドレスをあて先とするメールの送信もされています。
一般的に言われる「迷惑メール」は、この定義に当てはまるものだけではないと思いますが、少なくともこれらに当たるのであれば、迷惑メールであると判断して問題ないでしょう。
■迷惑メールの対処法
迷惑メールが来てしまう場合、上記のような法律がありつつも、法的に対処というのは基本的には難しいです。
もっとも、総務省からの委託を受けて、一般財団法人日本データ通信協会が運営する「迷惑メール相談センター」では、迷惑メールの情報を集めているとのことなので、こちらに通報してみるのは一つの方法です。
ただ、即時対応がされるわけではないため、基本はフィルタリングをする、早々に削除するという方法をとっていくことが必要です。
フィルタリングについては、プロバイダのフィルタリングサービスがあるところがありますし、メールソフトで簡易的な機能を提供してくれるものもあります。どのくらいの量と頻度でくるのかということで、何を使うかを検討すれば良いと思います。
しかし、それでも迷惑メールが届くようであれば、そのメールを拒否する設定をするべきでしょう。なお、迷惑メールはなるべく開封することなく対処してください。迷惑メールの中には、ウィルス感染を目的にしているものもあり、安易に開封すると感染してしまうおそれがあるからです。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
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