実は妻が整形してた…知らない過去が原因で離婚はできる?

■婚姻を継続し難い重大な事由に該当するか

結婚前に顔の整形手術をしていたことが「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すれば、離婚が認められることになります(民法770条1項5号)。

確かに、結婚前に妻が整形手術をしていたことを知れば、夫としてはショックを受けることに間違いはないでしょう。しかし、夫としては、整形後の顔を含めた現在の妻を好きになって結婚したはずです。

また、夫としては、妻が過去に整形手術をしていないことを条件に結婚したわけではないでしょう。そのため、結婚前に妻が整形手術をしていたという事実だけでは、「婚姻を継続し難い重大な事由」には該当せず、離婚が認められることはないでしょう。

もっとも、結婚前の妻の整形手術が発覚したことがきっかけで夫婦仲が悪くなり、婚姻関係が破たんする程度にまで至ったような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」ありとして、離婚が認められることもあるでしょう。

 

■どのような場合に婚姻を継続し難い重大な事由に該当するのか

それでは、どのような場合に「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するのでしょうか。

代表的なものでは、「配偶者からの暴力・暴行」、「犯罪による服役」、「ギャンブルなどの浪費癖」が挙げられます。

しかしながら、いずれの場合も、夫婦関係が破たんし、修復が難しい場合に「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するため、上記のような例が全て離婚の理由として認められることはありません。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

*【Tig.】Tokyo image groups / PIXTA(ピクスタ)

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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