特許の海賊と呼ばれる「パテントトロール」とはどんな存在?

■日本でも起こりうる問題

理論的には、日本でも、特許権者の特許権を侵害すれば、損害賠償義務が生じますから、同じような問題が起こる可能性はあります。

ただし、パテントトロールをするためには、ほとんど活用されていない特許権を、大量にかつ安価に買い集めることが必要であり、日本で同じようなことをするのは事実上難しいかもしれません。

また、アメリカと違って、日本では民事の陪審制度が採用されておらず、損害賠償として認定される賠償額も、全般的に低めとなる傾向が強いので、それなりのコストをかけて特許権を買い集めた後に訴訟をして賠償金を得て利益を得るパテントトロール行為がビジネスとして成立しうるかは、疑問も残ります。

 

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中 国法務、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件等が専門。)

星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1‐21‐8 弁護士ビル303

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