●違法な校則の内容とは
学校には、校則を定める権利があります。校則があるから、その学校の特色が出ます。その校則を知って学校に教師として就職したり、生徒は入学します。従って、校則を破った場合に学校から処分を受けるのは致し方ないと言えます。
ただし、公序良俗に違反する校則は違法で無効となります(民法90条)。公序良俗とは難しい言葉ですが、社会常識と考えれば良いと思います。何が社会常識かは、時代と場所によって異なります。
イスラム教の戒律が厳しい国では、結婚せずに性交することはそれ自体が処罰の対象です。当然、生徒と教師の恋愛など許されません。
日本でも明治の初期は男女共学も公序良俗に反すると考えられたこともあります。
少し前までは、生徒同士の恋愛を禁止する校則もありました(いまでも、女子校にはあるかも知れません)。生徒同士の恋愛禁止が公序良俗(社会常識)と言えるかは微妙です。もしかしたら、社会常識に反し、無効と判断されるかも知れません。
今の日本で教師同士の恋愛を禁止する校則があれば、それは社会常識に反しますので、無効です。仮にそのような校則があり、それによって解雇などの処分を受けた場合は、裁判所に救済を求められます。
教師と生徒との恋愛はどうなんでしょうか。私は、古い人間ですので、社会常識に反すると思います。
しかし、若い人は教師と生徒の恋愛に寛容なようです。そのような世代が親の世代になれば、教師と生徒との恋愛を禁止する校則は少なくなり、消滅するかも知れません。その頃には、社会常識化しているかも知れません。
*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)
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