■公開することが違法とは直ちにはいえない
親が子どもの成長を記録し、かわいい姿を見てもらいたいと考えることは理解できます。そして、子どもが幼いうちは、親がどのような行動をとっているのかということを十分理解しているわけではないため、子どもが幼いうちは、基本的に問題が生じることはないでしょう。
■プライバシー権・肖像権等の問題
しかし、子どもが明確に同意しているわけではないという問題があります。子どもにとって公開されたくないと思うような写真などがあれば、プライバシー侵害や肖像権侵害などを理由に、削除や損害賠償請求をすることが、法的には可能です。
親を訴えるまでする人は実際には少ないと思いますが、たとえば、裸の写真がアップされている、美容整形をしたといった場合などで、削除を要求したものの、どうしても削除に応じないといった場合、裁判になる可能性があるといえます。
子どもといえども別人格です。子どもがある程度大きくなったら、子どもの意向をきちんと聞いて話し合うべきことになってくるのではないかと思います。
また、トラブルにならないように、少なくとも、将来見たときに公開されたくないだろうと思うような写真はアップしないなど、自分なりの基準をきちんと決めておく必要があるでしょう。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
*KAORU / PIXTA(ピクスタ)
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