大学生の就職活動も夏に向けて本格化してきており、リクルートスーツ姿に身をくるんだ就活生を目にする機会も多いかと思います。
皆さんも多かれ少なかれ面接を受けたことがあるかと思いますが、面接の際に提出する履歴書に、採用されたいがあまり、ちょっと盛って書いてしまったという経験、ありませんか?
採用面接を受けた企業と同じ業種での経験が無いのに有ることにした、本当は3か月しか働いたことが無いのに3年勤務したことにした、資格を持っていないのに持っていることにした、A高校出身なのにB高校出身ということにした…、などなど、つい、少しでも自分を良く見せようと思って履歴書にウソの経歴を書いてしまった場合、法律的にはどうなるでしょうか。
■刑事罰を受ける可能性は?
「履歴書」といえども、それを法的に「偽造」したといえるのであれば、場合によっては私文書偽造の罪(刑法159条1項)に該当する可能性はあります。
裁判例でも、「甲」という人物が履歴書に、他人である「乙」という名前を記入し、虚偽の経歴を記載した場合に、私文書偽造の罪になるとしています。
ただし、今回のテーマのように、「自分のこととして内容を盛った」くらいの場合に関していえば、私文書偽造の罪は成立しません。
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