「AV撮影を断るなら違約金を払え」・・・解決するにはどうするべきか

●出演強制条項・違約金支払条項は無効

他人に性交ないし性交類似の行為を強要することは公序良俗(民法90条)に反する行為ですから、出演強制条項自体が公序良俗に反して無効とされます。

したがって、その条項にもとづいて出演を強制させることは法律上認められません。

また、アダルトビデオへの出演を拒否したとき(または事務所の指示に従わなかった場合など)には多額の違約金を支払う旨の条項にもとづいて違約金が請求された場合であっても、出演強制ができない以上根拠を欠くものであり、支払義務は生じません。

なお、すでに販売制作費用やプロモーション費用がかかっているなどと言われる場合もあるでしょうが、その場合でも支払義務は認められないケースがほとんどでしょう。

 

●すでにポルノが作成されてしまっている場合はどうしたらよいか

実際にアダルトビデオへ出演する前であっても、宣材用等で裸の写真やイメージビデオが撮られてしまっている場合もあると思います。事務所の中には、契約時に裸の写真を撮っておき、出演を拒否すると写真を関係者に見せると脅すところもあるようです。

もちろん、裸の写真等をばらまいたり、「写真をばらまくぞ」などと脅したりすることは、民事上も刑事上も違法です。

しかし、実際にばらまかれてしまったときは被害が深刻ですから、すでにポルノが作成されてしまっている場合にはいち早くポルノ被害者支援団体(※1)や弁護士に相談し、被害を拡大させないがことが重要です。

※1:例:ポルノ被害と性暴力を考える会

被害に遭って悩んでいる女性は、誰かに相談すると「なんで安易に契約書にサインしたの」、「もともとAVに出てもよかったと思っていたんだから自業自得でしょ」などと言われてしまうのではないかと不安になると思います。

しかし、支援団体や弁護士はそんなことを言いませんし、秘密を厳守して相談に乗りますので、被害に遭った場合にはすぐに相談するようにしましょう。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

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木川 雅博 きかわまさひろ

星野・長塚・木川法律事務所

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