年金機構を名乗る詐欺が頻発・・・その内容と目的は?

■今後予想されるのは、どのような犯罪?

まず、もっとも懸念されるのは、電話で聞きだされた情報が「カモリスト」に記載されて、犯罪集団に出回り、その後の振り込め詐欺に利用されるというケースです。

また、先の女性のように預金残高を聞かれたり、国民年金保険料の引き落とし口座、あるいは年金の振込口座などが聞かれてしまったケースでは、不正な手口によって預貯金が引き落とされるという被害が起こることも想定されます。

筆者が執筆している時点では、まだ、実際の財産被害のニュースはないようですが、不審電話に対して口座の情報を教えてしまった方が仮にいたとしたら、被害が発生するリスクが高いと考える必要があるでしょう。

 

■被害を発生させないようにするために

テレビやニュースでもお知らせが流れていますが、今回の件で、年金機構が電話連絡をしてくるケースは一切ないとのことです。

ですから、そもそも、年金機構や年金事務所を語って電話がかかってきた時点で、その電話は犯罪集団からの電話だと考えなければなりません。

また、警察や検察庁、国税庁、消費者生活センターを語る電話も、疑うべきです。これらの組織が、顔が見えない電話で、詳細に個人情報を聞いてくるということは、まずありません。

仮に、不審電話の相手に対して自身の口座情報を教えてしまった方は、すぐに預金をいったん引き揚げるべきでしょう。そこまででなくても、不審電話に対してある程度の個人情報を教えてしまった場合には、警察や消費者生活センターなどに相談して、今後どうすればいいかなどアドバイスをもらっておくことが必要ではないでしょうか。

余りにも大量の情報が流出したため、年金機構が流出した情報に対するフォロー(基礎年金番号を変えるなど)が完了するには、相当な時間がかかると考えられます。この件を利用した不審電話や犯罪が下火になるまでは、長い時間がかかると言わざるを得ないでしょう。

なんとも理不尽ではありますが、自分の身は自分で守らなければなりません。

 

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

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寺林 智栄 てらばやしともえ

ともえ法律事務所

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