社員の位置情報をGPSで監視する企業・・・なぜプライバシー侵害にならない?

GPSを利用して位置情報を把握するアプリがありますが、海外では、行動を監視したり、急行させたい現場の近くにいる社員を早急に派遣するために、このようなアプリを営業社員のスマホなどにインストールする企業があるようです。

仕事をスムーズに行う上では必要なのかもしれませんが、このようなアプリのインストールはプライバシー侵害の問題を生じないでしょうか。

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■インストールだけでは違法ではない

自分がどこにいるのかをみだりに把握されたくない、と思う人は多いのではないでしょうか。

GPSで追跡することで、どこにいるのか、どのような行動をとっているのかということが把握できる以上、その情報はプライバシー情報ということができるでしょう。

ただプライバシーも絶対に守られなければいけない利益というわけではありません。

企業からすれば、「営業に行ってくる」と言われていたのに、それはただの口実で遊びに行かれてしまっていれば何のために給料を支払っているのか、ということになってしまいます。そのため、一定の監視をすることは当然許されるべきです。

したがって、インストールすること自体が、それだけでプライバシー侵害ということはできないでしょう。

 

■業務のための利用に限定されるべき

しかし、その情報の使い方によってはプライバシー侵害の問題が出てきます。

このような位置情報の取得は、あくまで会社の業務効率化や労務管理のための必要性から認めるべきものです。そのため、この範囲を超えた使用であればプライバシー侵害の問題を生じます。

たとえば、会社の就業時間と全く関係がない土日などにまで行動を監視することは問題といえるでしょう。また、たとえば恋心等から行動を知りたいと思って監視するようなものも、当然ながらプライバシー侵害でしょう。

 

■どのように対応すればよいか

無用なプライバシー侵害は企業にとっても社員にとってもよいことはありません。

そのため、アプリをインストールするとしても、土日はアプリをオフにするルールにするとか、そもそも社用の貸与スマホなどにのみアプリをインストールするなど、トラブルを回避することも考える必要があるでしょう。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい

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