Googleマップ上で、皇居内に突如「オウム真理教道場」「恒心教 総本山」といった記載が出現したということが話題になっています。
この話題を聞いたとき、「ハッキングかな」と思いましたが、どうやらGoogleの機能を悪用しているようです(悪用を防ぐため、ここでは方法は記載しません)。
現在ではかなり削除されているようですが、このようなGoogleの機能を悪用したいたずらは、法的に問題となるのでしょうか。
■いたずらだからといって許されるわけではない
仮に、このいたずらをしている人物が分かったら、この人物は「Googleの機能を利用して遊んでいるだけ」と言い訳をするのではないかと思います。
たしかに、ハッキングをしているわけではないようなので、不正アクセスをしているわけでもありません。
しかし、今回悪用された機能は、マップを充実させるためにGoogleが用意しているもので、このようないたずらをされることは、当然ながら通常は想定されていません。
このいたずらの結果、Googleにはポリシー違反などのチェックをして削除するという余計な手間が生じています。したがって、偽計業務妨害が成立しているということができます。
■やり方によっては名誉毀損もありえる
このいたずらの手口が広がってしまい、実在する個人や店舗に対する嫌がらせが発生するのではないか、という懸念も生じているようです。
この件と直接関係があるわけではありませんが、先日解説した「なぜか問題視されているGoogleに対する「口コミ削除命令」は、ごく当たり前の話?」の件のように、Google+の機能を利用して嫌がらせ投稿をするということは、実際にすでに発生しています。
このようなことをすれば、名誉毀損にも問われる可能性もあります。そのため、面白半分で安易な行動はするべきではないでしょう。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)
*画像はGoogleマップのスクリーンショットに当サイトで加工したもの