うるさい「選挙カー」なぜ違法にならない?

現在、統一地方選挙の後半戦まっさかりです。

選挙の時期の風物詩とも言えるのが選挙カーですが、この選挙カーの活動を70%以上の人が不快に感じるという調査もあり、一時期に比べると選挙カーの騒音は減ったようですが、苦情は絶えないようです。

最近は、「選挙カーでの演説などは行いません。」と断言している候補者がいるなど、この騒音問題については市民だけではなく、候補者からも厳しい目が向けられています。

そもそも騒音を撒き散らす行為は条例などで規制されていますが、選挙時の演説や選挙カーの放送はどうなるのでしょうか?

選挙

●選挙カーの音量に規制はない

法律的に言うと、選挙カーによる連呼や演説のための拡声器の使用については、公職選挙法上、具体的な音量の規制はありません。従って、どれだけうるさくしても、公選法には違反しません。

ただ、公職選挙法140条の2第2項には、選挙運動のための連呼行為をする場合は、学校、病院等の周辺では静穏を保つように努めるという趣旨の規定があります。とはいえ、これも努力目標で何デシベル以下にしろというような規制ではありません。

 

●騒音防止条例も選挙活動には適用されない

地自体によっては、騒音防止条例などがあり、拡声器の使用について、住宅地では何デシベル以下にしないといけないというような規制がありますが、この規制は、公告やあるいは右翼の街宣車に適用されるもので、選挙活動には適用されません。

 

●公職選挙法自体に問題がある?

公選法によると、候補者の氏名の連呼は許されていますが、政策を詳しく述べることは許されていません。

また、選挙カーの費用は税金でまかなわれます。さらに、日本の選挙は法律的な縛りが非常に強く、候補者が出来る選挙活動が限られています。先進国では普通に出来る戸別訪問も禁止されています。従って、候補者は選挙カーを使うという選択をしてしまうのだと思います。

もう少し緩やかになれば、候補者名の連呼をする選挙カーよりも他の選挙活動をするはずだと思います。この機会に、民主主義の根幹である選挙活動について考えてみるのも良いかも知れません。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

星 正秀 ほしまさひで

星法律事務所

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