大阪で「火炎瓶」が路上販売!? ・・・違法性はあるの?

大阪のアメリカ村で「火炎瓶 100円」と書かれたビール瓶が売りに出され、警察が出動するという騒ぎがありました。

結局、中身は空びんで、この件は事なきを得ました。

しかし、売られていたものが本物の火炎びんであれば、今のご時世、実際に使用されてしまい、多数の死傷者が出る事態に発展した危険もありえます。実際、各国の政府に対する抗議活動などでは、大がかりな武器を持たない一般市民が火炎びんを投げ込むシーンがしばしば報道されています。

そこで、今回は、火炎びんの製造や使用の法規制やその他火薬類の使用の問題点などについて解説することにします。

火炎瓶なのに買える瓶■火炎びんに対する法規制が存在する

火炎びんについては、その名もずばり「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」が定められており、製造、所持などが禁止されています。

この法律によれば、火炎びんとは「ガラスびんその他の容器にガソリン、灯油その他引火しやすい物質を入れ、その物質が流出し、又は飛散した場合にこれを燃焼させるための発火装置又は点火装置を施したもので、人の生命、身体又は財産に害を加えるのに使用されるものをいう。」と定められています。

火炎びんを使用して、人の生命や身体に危険を発生させた場合には7年以下の懲役刑が科される可能性があります。また、火炎びんを製造・所持した場合には、3年以下の懲役刑か10万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

さらに、火炎びん製造の目的で容器にガソリンなど引火しやすいものを入れて、発火装置や点火装置を施しさえすれば火炎びんが完成する状態のものを所持していた場合にも、製造・所持と同じ処罰が課されます。

今回のケースは、びん自体は空で、中にはガソリンなどの引火物は一切入っていなかったようです。そうすると、今回の件は、処罰の対象にはなりません。

 

■火炎びんだけの規制はおかしい?

火炎びんは、素人が手軽に材料を入手して作成することができ、かつ、状況によっては大きな被害を発生させてしまうことから、製造や使用、所持が規制されているといえます。

しかし、花火や硝酸カリウムなど、爆弾や危険な火薬類を作成できる材料は、昨今、容易に入手することができ、作成方法などもインターネットで簡単に調べることができます。

実際に、素人が自宅で作成した爆発物を使用した犯罪が、日本では、ここ十数年ほどの間に、時折発生しています。規制を強化するべきという論調も一部にはあることでしょう。

ただ、爆発物の作成は、作成する人の生命や身体も危険にさらされるものです。大がかりに作ろうとすると、摘発されやすいという問題が生じます。このように考えてみると、いずれも火炎びんほど安価に気軽にある程度大量に作ることが可能なものは他にないとも考えられるのではないでしょうか。現在、花火の購入などが規制されていないのは、このようなところに理由があるように思われます。

それでも、テロの拡大・浸透など、従来では予想もつかない危険が迫ってきかねないこのご時世では、そう遠くない将来、花火の購入も規制下に置かれる可能性があります。家族や友人同士で自由に花火を楽しむことも、難しくなるのかもしれません。

 

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

*画像:ツイッターの当該ツイートに、当サイトでモザイク処理を施したもの

寺林 智栄 てらばやしともえ

ともえ法律事務所

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