24時間365日、年中無休。
というと、コンビニエンスストアを思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、コンビニエンスストアが24時間営業を始める前から年中無休営業をしている施設はたくさんあります。
警察署しかり、消防署しかり、病院しかりです。その中でも皆様方になじみが薄いと思われるのが市役所での戸籍の受付です。
戸籍の受付が年中無休というのは、戸籍事務取扱準則制定基準第24条(執務時間外の取扱い)に規定されております。
同条は、「休日又は執務時間外に戸籍の届出並びに不受理申出及び取下げ(以下この条において「届出等」という。)があったときは、これを受領しなければならない。」とし、24時間営業をうたっているわけですが、それではなぜ戸籍の受付が24時間営業なのでしょうか?
●なぜ戸籍の受付窓口は24時間年中無休?
役所の受付時間が平日の9時から17時で終了してしまったらどうなると思いますか?
昼間は仕事で忙しく、到底役所に行く時間がないカップルはいつまで経っても役所に婚姻届を出すことはできなくなります。
また、婚姻届けを出そうとモタモタしているうちに、片方が亡くなってしまったとすると、他方には相続権も認められなくなります。
離婚もそうですね。
今、メジャーリーガーと元世界王者のカップルの妊娠の話題で、生まれてくる赤ちゃんは、元世界王者が離婚してから何日以内に生まれてくるのかということが話題になっております。
これは女性の再婚禁止期間が問題となるのですが、前婚の離婚届の受付が9時から17時までの間でしか受け付けてくれず、いつまで経っても離婚届を受け付けてくれないのであれば、再婚もままならなくなってしまいます。
このように、役所が戸籍に関する届を24時間365日受け付けてくれないと弊害がありますので 、「休日又は執務時間外に戸籍の届出並びに不受理申出及び取下げ(以下この条において「届出等」という。)があったときは、これを受領しなければならない。」とし、24時間営業をうたっているわけです。
*著者:弁護士 桐生貴央(広尾総合法律事務所。「人のために 正しく 仲良く 元気良く」「凍てついた心を溶かす春の太陽」宜しくお願いします。)