似顔絵屋が芸能人のイラストを飾ると犯罪になる!?

似顔絵イラスト

■普通の似顔絵であれば犯罪にならない

しかし、似顔絵の出来によっては名誉毀損に当たることもあると考えます。

名誉毀損罪は、人に対する皆からの評価を保護するために処罰される犯罪です。名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して、人の名誉を毀損した場合に成立します。

「公然」とは、不特定または多数人が知り得る状態におくこと、すなわち色んな人がわかるようにすることですが、店先に飾る場合も「公然」と言えるでしょう。

事実の摘示の「事実」は、人に対する皆からの評価を低下させるようなものである必要がありますが、人の身体的な特徴といった事柄も対象になります。また「摘示」には漫画や写真による表現も含まれますので、似顔絵による表現も含まれます。

「名誉毀損」とは人に対する皆からの評価を低下させるような行為をいいます。

似顔絵は、人物の顔の特徴をとらえ、その人物の顔に似せて描いた絵です。

有名人の身体的特徴を必要以上に強調した似顔絵の場合、ある意味人の欠点を誇張しているようなものですから、「名誉毀損」にあたると評価できる場合もあるでしょう。

 

■民事上の問題

犯罪としては以上のように名誉毀損罪が成立するかどうかです。

しかし、民事上、似顔絵の公開や販売は、人の肖像権や名誉を侵害しているということで損害賠償の対象となる場合もあります。

肖像権とは、自分のルックスをみだりに他人に撮影されたり使用されたりすることから守られるべき人格的な利益です。

名誉とは、人に対する皆からの評価です。

似顔絵の公開や販売によって肖像権を違法に侵害した場合、不法行為に当たるとして損害賠償責任を負うことになります。

似顔絵の公開や販売によって名誉を違法に侵害した場合、不法行為にあたるとして損害賠償責任を負うとともに、謝罪広告の掲載等名誉を回復する処分を請求されることもあります。

似顔絵の腕をアピールするために店先に飾りたいという気持ちもあるでしょうが、有名人の所属事務所を通じて許可を取った方がいいでしょう。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

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