スキマスイッチの「飲食店批判」・・・違法性はある?

歌手のスキマスイッチがライブ前日に利用した飲食店をMC中に「量が少ない」などと批判したことが炎上し、所属事務所が謝罪する事態となりました。

イベンターが予算の都合上、量を減らしてもらう対応をしていたという事情があったようですが、それを知らされていなかったメンバーはお店を批判してしまったようです。

このような批判を大勢の前でMCで行うことは法的にどうなのでしょうか。

ライブ

■刑事的責任を追及をすることは難しい

一般的な感覚として、これが「アウト」と考える人はそれなりにいるのではないかと想像します。

名誉毀損が成立するためには、社会的評価の低下があり、かつ、名誉毀損の成立を妨げる事情、1.公共性、2.公益目的、2.真実性(または真実相当性のいずれも)がないことが必要です。

量が少ないということは、実際に代金に見合わないほどの量の少なさであれば、いわゆるボッタクリのお店と見られる可能性、少なくとも値段とサービスの間に合理性がない店とみられる可能性があるため、社会的評価の低下を招きかねないものです。

そのため、社会的評価の低下はいちおうあり得るといえます。

しかし、MCを面白くするためにある程度誇張することはある程度許容されるでしょうし、どのような料理が出たのかということなども話しているようなので、趣旨としては、「もっと食べたかった」という意見・感想のようなものに過ぎないともいえます。

そのため、ボッタクリということまで言っているわけではないということも分かる状況で、社会的評価の低下があると言い切れるかという問題があります。

したがって、刑事上、名誉毀損と捉えていくことはかなり困難でしょう。

 

■民事責任の追及は可能かもしれない

ただ、だからといってこの行動が妥当だったのかという問題は別途残ります。

報道によると、予約したイベンターの予算の都合により、通常よりも量が少なかったという事情があるようですが、MCでネタにする前にスキマスイッチが確認しておくべきであったといえるでしょう。

そのような確認をせずに批判(と受け取られること)をされれば、飲食店にとっては営業妨害をされたに等しいです。

そのため、民事上は、多少なりとも損害賠償責任を負う可能性があるのではないかと思います。

ちなみに、今回のことはSNSにより拡散したという事情はありますが、大勢の前で話をしたという時点で問題であるといえるため、拡散したことと責任との間には直接的な関係はありません。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい

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