好きな人と一緒になる、つまり結婚するのは簡単ですが、結婚生活において相手が嫌になったからといって簡単に離婚できるわけではありません。
まず、結婚しようとする男女に結婚の意思があって、役所に婚姻届(証人2人の署名捺印が必要)を提出しさえすれば、法律上有効に結婚することができます。
離婚しようとする場合も、離婚について双方合意のうえであれば、役所に離婚届(証人2人の署名捺印が必要)を提出すれば、有効に離婚することができます。これだけで済めばよいのですが、なかなかスムーズに離婚できないことも多々あります。
●離婚がスムーズにいかない理由いろいろ
夫婦の一方が離婚を求めても、他方がそれを拒否した場合には、法律上の離婚事由(不貞行為やDV等)が認められない限り、離婚をすることはできません。
そして、法律上の離婚事由があるかどうかは、客観的証拠によって立証されなければなりません。
法律上の離婚事由が認められる場合であっても、離婚にあたっては、財産分与や養育費について決めなければなりません。もし、当事者間で合意できない場合には、最終的には、審判や判決によって決定されることなります。
また、夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、どちらが親権者となるのかについてもめる可能性があり、当事者間で合意できない場合には、やはり、最終的には、審判によって一方が親権者と指定されることになります。
さらに、不貞行為やDVがある場合には、慰謝料支払いの有無についてももめる可能性があります。
以上のように、相手が離婚を拒否した場合には、法律上の離婚事由がない限り離婚することはできず、離婚事由がある場合であっても、財産分与や養育費、未成年者の親権、慰謝料等でもめる可能性があります。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)