なぜAmazonは「児童ポルノ禁止法」で家宅捜索されたのか?

先日、インターネット通販大手のAmazonが児童ポルノ関連の写真集の出品を受け、その販売を放置していたとして、愛知県警によって「児童ポルノ禁止法違反(提供)のほう助」容疑で家宅捜索を受けました。

写真集の製造元、販売元が罪に問われるということはもちろんですが、ただ児童ポルノにあたる商品が出品されていただけで、Amazon自体が捜索を受けたことに驚いた人も少なくないのではないでしょうか。

そこで、今回は、児童ポルノに関する法規制、どうしてAmazonは捜索を受けたのかについて解説していきたいと思います。

Amazon

■児童ポルノ禁止法について

児童ポルノ禁止法の正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」です。児童が性的に搾取されたり性的虐待を受けるのを防ぐために、児童買春、児童ポルノを規制しようと平成11年に施行されました。

同法は第7条で児童ポルノを不特定多数の者に提供し、また公然と陳列することを禁止しており、この規定に違反した者については、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処すか、あるいは両方の刑を併科すると定めています。

今回、Amazonは、この7条の提供罪の「ほう助」の容疑をかけられ、家宅捜索を受けました。「ほう助」とは手助けをすることを指し、共犯の一種とされています。つまり、Amazonは、児童ポルノ写真集の出品を手助けしたという容疑をかけられた、ということです。

 

■Amazonは、なぜ容疑をかけられたのか。

この点については、詳細な情報が報道がされていませんので、断定的なことはいえません。

しかし、「ほう助」罪は、相手方が犯罪行為を行うことを認識しながら、これを手助けする場合に成立するものです。したがって、愛知県警は、Amazonが、摘発業者が児童ポルノに該当する写真集を出品していることを認識していたとのではないかと疑っているといえます。

これはあくまでも推測ですが、直接Amazon側に、児童ポルノ写真集などが出品されているというユーザーからの通報が具体的にされていたであるとか、あるいは、ネット上にそのような情報が流れていたという事情があったようにも思われます。

このような事情があったにもかかわらず、出品を中止させず漫然とこれを放置したということになれば、「知りながら手助けした」という疑いをもって捜査機関側が捜索を行うことも、一応理解することができます。

 

■今回の事件の影響は大きい

今回の事件を契機として、Amazonはもちろん、ヤフオクその他インターネット通信販売における商品(特に写真集などの出版物)について、出品時のチェックは厳しくなることが予測されます。

また、今回と同様の手法で、捜査機関が別なインターネット通信販売会社の家宅捜索を行うことも予想されるため、各社は、児童ポルノ商品の出品がなされていないかどうか、現在、必死にチェックしているところではないでしょうか。

 

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

*画像: Twin Design / Shutterstock.com

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