女子高生の「体臭」を嗅がせてなぜ逮捕?

先日、通称「JKコミュニティー」と呼ばれる個室で女子高生が男性客と話をすることができる店で、働いている女子高生の体臭を客に嗅がせたとして経営者らが逮捕されました。

このニュース対して、「体臭を嗅がせるのは犯罪なんだ!」などの声がネット上にあがり、疑問に思う人も多くいたようです。

たしかに何か体に危害を及ぼすような行為をさせたわけではなく、ただ「臭い」をかがせただけなのにどうしてそれが罪に問われるのかは気になるところです。しかし、働かせていたのが女子高生という未成年であることも忘れてはいけません。

今回のケースでは労働基準法違反(危険有害業務の就業制限)という法律に触れたということですが、果たして具体的にどのような点が法律的に問題だったのでしょうか。

女子高生

●年少者に対する法律上の保護は?

労働基準法は、18歳未満の者については、成年者と比べて肉体的・精神的に未成熟であり、技術的にも未熟なことが多いため、就業に際しての安全・衛生上特別の保護規定(危険有害業務への就業制限)を置いています。

 

●危険有害業務とは?

具体的には、使用者は、満18歳に満たない者に、運転中の機械等の危険な部分の掃除や検査、運転中の機械等へのベルト・ロープの取付けや取外し、動力によるクレーンの運転や、その他省令で定める危険な業務に就業させてはなりません(労働基準法62条1項、年少者労働基準規則7条、8条)。

また、使用者は、満18歳に満たない者を、劇毒物、劇毒物その他有害な原材料または爆発性・発火性・引火性の原材料を取り扱う業務、有害ガス・有害放射線を発散する場所における業務、その他安全・衛生・福祉に有害な場所における業務に就業させてはならないとされています(労働基準法62条2項、年少者労働基準規則8条)。

 

●「JKコミュ」はなぜ危険有害業務なのか?

年少者労働基準規則8条45号では、年少者にとって福祉上有害な業務として、「特殊の遊興的接客業における業務」が禁止されています。

この点、「特殊の遊興的接客業における業務」とは、バー、キャバクラ、クラブ等における接客業務を指すものとされています。

また、客に性的な歓楽を与えることを目的とする接客もこれに含まれます。

過去には、ノーパンの女子高生をウェイトレスとして働かせていた(いわゆるノーパン喫茶)という事例において、客に性的な歓楽を与えることを一つの目的とするものであるため、「特殊の遊興的接客業」に該当するとして、経営者が摘発されています。

今回摘発された「JKコミュ」も、年少者に体操服や水着を着せたり、年少者の体臭を客の男性に嗅がせるなどして、客に性的な歓楽を与えることを目的としているものといえるため「特殊の遊興的接客業」に該当するとして、お店の経営者は労働基準法違反で逮捕されたと考えられます。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

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