江角マキコさんのマネージャーが長嶋一茂さんの家に落書きをしたなどと報じられています。
一部週刊誌では江角マキコさんの指示だったと報じられ、また、ネット上などではマネージャーが江角マキコさんのために独断でやるとは思えないなどとの意見があがり、関与しているのでは?と疑われています。
元マネジャーは器物損壊容疑で書類送検される可能性が高いということですが、江角マキコさんに責任はないのか?ということも気になる部分ではないでしょうか。
後になって江角マキコさんへのイジメなどがあったとも報じられ、真相はまだまだ分からない状況ですが、もし報道通り江角マキコさんが落書きの指示を出していた場合、江角マキコさんは罪に問われるのかを解説します。
●江角さんが指示を出していたとすれば、間違いなく罪に問われる
刑法では、実際の犯罪行為をした人を正犯と呼び、犯罪行為を実際に行わなくても犯罪をそそのかしたりあるいは手伝ったりした人を共犯と呼びます。
それに当てはめると、江角さんが指示したとすれば器物損壊罪という犯罪行為をそそのかしたことになりますから、江角さんは器物損壊罪の教唆犯(きょうさはん)になり、罪に問われます。
刑法の建前では、正犯であるマネージャーの方が罪が重たく共犯である江角さんの方が罪が軽くなります。
しかし、それではマネージャーが気の毒な感じがすると思いますよね。
●指示を出した方の罪が重くなる事もある
判例は古くから共謀共同正犯(きょうぼうきょうどうせいはん)という概念を用いて、共犯者間での立場を考慮し、主たる役割をしたひとを正犯と同じく重く処罰しています。
その判例の考えから行けば、マネージャーとタレント言う立場や犯罪の動機を考慮し、実際に器物損壊行為をした正犯よりも共謀共同正犯である江角さんが重く処罰されることは十分あり得ます。
しかし、器物損壊罪はそれほど重い罪とは言えません。江角さんがきちんと謝罪し、修復費用や慰謝料を支払い、被害者と示談すれば、不起訴になり、処罰されない可能性は高いと思います。
不起訴になれば刑法上の責任はなくなりますが、社会的な責任は残りタレントとして社会的な制裁を受けることになると思います。
本当に指示を出していた場合はこのような責任を負う事が考えられますが、実際どうだったのかは明らかになっていません。また、ママ友のイジメがあったと報じられましたが、関連して「ママ友トラブルの原因「陰湿な嫌味」は侮辱罪になる?」もご覧下さい。
*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)