マドンナがレディー・ガガを歌詞で痛烈批判…それでも名誉毀損にならない理由とは

マドンナが新曲で、元夫とレディー・ガガに対して痛烈な批判(ディス)をしていると話題になっています。

歌詞には元夫に対して「あなたは求めるものを手にした。少しの名声と財産。私はもう用無し。」と言い、レディー・ガガに対しては「あなたは人真似野郎。私への印税はないのかしら? 私のレシピを盗むなんて無様」などと、他にも痛烈な批判をしています。

歌詞とは言え、このような個人を批判する歌詞を公表することが何らかの犯罪にはならないのでしょうか。日本の法律に当てはめて考えてみます。

ライブ

●表現の自由か名誉毀損か

表現行為を規制する法律には、名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪などがあります。その他、ヘイトスピーチを禁止する法律を制定するか否か今現在議論されていますが制定されていませんので考慮しません。

表現の自由は、憲法21条で定められています。表現の自由は、憲法が定める自由の中でも最大限の尊重が必要だと解釈されています。しかし、表現行為によって、他者のプライバシーを侵害したり、他者の名誉を毀損することは許されません。

マドンナが持っている表現の自由と元夫とレディーガガのプライバシーや名誉のどちらを優先すべきか、難しい問題です。

仮に、日本国内で元夫やレディーガガが被害届を警察に提出したとすると、警察は難しい判断を強いられると思います。
警察がどのような判断をするのか予測はできませんので、私の予測を書きます。

 

●このケースではどうなる?

マドンナが一般人を相手にこれだけ激しく批判したとすれば、名誉毀損罪あるいは侮辱罪が成立するのは間違いないと思います。一般人はマドンナに反論してもそれほど影響力を行使できないので、マドンナによって毀損された名誉を回復するのが困難だからです。

しかし、元夫とレディーガガは著名人(公人)であり、マドンナに反論し、自らの名誉を回復することができます。このような場合には、マドンナと元夫並びにレディーガガとの間の論戦に任せ、警察が介入しない方が自由主義に適うと思います。判例でも著名人(公人)に対する場合と一般人に対する場合は区別されています。

以上は私の考えです。表現の自由を最優先する考えですが、個人の名誉やプライバシーをより尊重する別の考えも十分あり得ます。読者の方も考えてください。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

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