犬を飼う前に知らなければいけない「飼い主の義務と責任」

ペットショップや里親募集サイトで一目惚れ…その後、かわいい子犬が家族になり、ずっと皆で仲良く平和に過ごしましたとさ…と、なれば良いのですが、なかなかそうも行きません。

色々なトラブルが発生しますし、やらなければいけないこと、気をつけなければいけないことなどは沢山ありますし、飼い主の義務や責任も発生します。

今回はペットを飼う上で、知るべき法律知識と飼い主の義務について解説します。

柴犬

■犬が生まれてから家にやってくるまで

生後56日(平成28年8月31日までは45日、それ以降別に法律に定めるまでの間は49日)を経過しない犬及び猫の販売又は販売のための引渡し・展示が動物愛護管理法により禁止されます。幼齢の犬を生後早い段階で親兄弟から引き離してしまうと、吠え癖やかみ癖などが生じやすくなり、発育に支障があるため、販売を制限しています。

近年、インターネット販売を利用したものの、引き渡されたペットの状態が説明と違っていたとのトラブル増加したため、販売するペットの現況を直接見せるとともに対面により飼養方法、生年月日等適正飼養のために必要な情報を提供することが業者に義務付けられています。

 

■犬を飼い始めてから

飼い主の責任の1つとして、飼っているペットについて、名札、脚環、マイクロチップ等により、所有者を明確にする必要があります。

犬の場合には、現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすることになっています。引っ越しした場合等には転居先の市区町村窓口への届出が必要です。

 

■散歩デビュー

犬が外出できるようになったら、いよいよ散歩が始まります。

散歩のとき、リードをつけていなかったり、目を離したすきに、犬が他の犬や、子供に噛みついてケガをさせた場合、飼主には動物占有者の責任が発生し、損害賠償義務を負います。

子供に大けがをさせた場合は、治療費だけでなく慰謝料も発生し、高額な賠償が命じられることもあり得ます。

 

■成犬になったら

狂犬病予防法により、年1回の狂犬病予防注射を受けさせる義務があります。

違反すると罰金刑の対象となります。

 

■病気の治療

ペットも人間と同様、庭木で怪我をしたり、体調不良になることがあります。

動物病院で獣医さんに治療をお願いすることもありますが、注意義務違反による獣医過誤があった場合には、損害賠償請求ができる場合もあります。

 

■出産

(1)多くの動物を飼うことにより、騒音や悪臭など、周辺の生活環境を悪化させている場合、(2)多くの動物を適切に飼っていないことにより動物が衰弱する等の虐待のおそれが生じた場合、都道府県知事は、飼い主に対し、改善勧告・命令を行うことができます。

命令に従わない場合は罰則も定められています。繁殖は、責任をもって養育できる限度で行うようにしましょう。

 

■老齢期

飼い主には、終生飼養の義務が課せられています。

途中で飼育できなくなった場合でも、都道府県が引き取ってくれるわけではありません。

自宅での介護が難しい場合は、ペット専門の介護業者も利用し、最後まで面倒を見る義務があります。

 

■焼骨・埋葬

現在、ペット霊園の設置や管理方法について全国一律で規定する法令はありません。

もっとも、ペットの火葬・埋葬については、独自の規制を条例で科している自治体があります。

自分で火葬等をする際には、念のため、お住まいの市役所で条例の有無を確認した方がよいでしょう。

 

■さいごに

家族となるペットに関わるルールを確認して無用なトラブルを回避し,犬が生まれてから一生を終えるまで,幸せな時間を過ごしてください。

 

 

 

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき 弁護士

星野法律事務所

東京都港区西新橋1‐21‐8 弁護士ビル303

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