離婚する前に決めておかないと揉めてしまう5つのこと

夫婦が円滑に離婚をするのに大切な事があります。

それは「決めておかなければならないことをしっかり決めておく」というシンプルなものです。

しかし、これを疎かにしていると、円滑な離婚ができないなどの問題が発生します。

今回は決めておくべき5つのことをまとめたので、離婚を考えている方は参考にしてみてください。

結婚

●親権者・監護権者について

夫婦間に未成年の子がいる場合、その子の親権者を夫婦どちらかに決めない限り、離婚をすることはできません(民法819条)。

そのため、夫婦間の協議で、未成年の子をどちらが引き取って、離婚後に面倒をみていくのかを決める必要があります。

 

●子との面接交渉について

面接交渉とは、子どもを養育していない方の親(非親権者)が、離婚後に子と面会等をするものです。

具体的には、毎月2回、1回あたり2時間ずつ子と面接する、面接する場所と時間については親権者との間で事前に協議する、年に2回は子の写真を送ってもらう、ということを決めておきます。

なお、面接交渉は、上記の親権者の決定とは違い、離婚時において必ず決めなければいけないわけではありません。

もっとも、離婚後は、非親権者は、親権者との間で、子の面接交渉について協議する機会があるとは限りませんので、離婚時において、子との面接交渉の具体的内容について決めておいたほうがよいでしょう。

 

●養育費について

養育費とは、未成年の子を養育していくために必要な費用のことです。

離婚後に子を養育・監護する親は、新親権者に対して、原則として子が成年に達するまでの間にかかる養育費を請求することができます。

なお、養育費については、離婚時に必ず決めておかなければいけないことではなく、離婚後であっても、いつでも請求することができます。

もっとも、面接交渉のところでも説明したように、離婚後においては、養育費について双方の親が協議する機会があるとは限りませんので、スムーズに離婚をするためには、離婚時に、養育費の額やその支払時期を決めておく必要があります。

なお、養育費の額については、裁判所が養育費決定の際に参考にしている表(養育費・婚姻費用算定表)がありますので、養育費をいくら請求すればよいのか分からないという方は、とりあえずは、この表を参考にすればよいでしょう。

また、養育費を受け取る方の親としては、相手による養育費の支払いが滞った場合に備えて、公正証書(強制執行認諾約款付公正証書)を作成しておいたほうがよいでしょう。

公正証書を作成しておけば、相手による養育費の支払いが滞った場合、裁判を経ることなく、相手の財産(不動産、預金、給与等)に対して、強制執行手続をとることができるからです。

 

●財産分与について

夫婦間に財産(不動産、預貯金、株券等)がある場合、スムーズに離婚をするためには、離婚後にその財産を夫婦間でどのように分けるのかを、離婚時に決めておく必要があります。

そして、財産の分与を受けるほうの配偶者としては、相手による財産分与の支払いが滞った場合に備えて、養育費と同様、公正証書を作成しておいたほうがよいでしょう。

なお、離婚後であっても、財産分与を請求することはできますが、財産分与請求権は離婚から2年で時効消滅してしまいますので、注意が必要となります。

 

●離婚後の氏(名字)について

夫婦が離婚をすると、結婚によって氏(名字)を変えた夫または妻は、法律上当然に、結婚前の氏に戻ります(「復氏」と言います。)。

しかし、子の戸籍は当然には変更されず、従前の戸籍のままなので、子の氏は変更されません。

そのため、子の氏と、親権者となって子の面倒をみている親の氏が異なる、といった不自然な事態が発生します。

上記のような事態を避けるためには、離婚後に、裁判所に対して、「子の氏の変更許可申立て」をする必要があります。

なお、離婚によって復氏をした夫または妻は、離婚した日から3か月以内に役所に届け出れば、婚姻時の氏を使用することができますので(「婚氏続称制度」と言います。)、この制度を利用することによっても、親権者と子の氏が異なるという事態を避けることができます。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

理崎 智英 りざきともひで 弁護士

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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