公園で子どもがケガをしたとき、責任の所在はどこにある?

子どもが公園で怪我をすることはよくあります。怪我をしたきっかけや理由などによっては責任問題などが発生し、揉める事もよくあります。

どのような時にどこに責任が発生するのかを知っておく事で、いざというとき役に立ちます。そこで今回は、公園で怪我をした際に、どこに責任が発生するのか、よくある3つのケースを紹介します。

公園

■子どもや親に原因がある時

大部分が子ども自身や監督している親の不注意が原因です。その場合は、自己責任となります。

法的な問題が生じるのは、公園の遊具の不具合や一緒に遊んでいる子どもの不注意が原因となる場合です。

 

■遊具に不具合があった場合

公園の遊具に不具合があり、それが原因で怪我をした場合は、公園の管理者が全責任を負います。地方自治体が管理している公園ならば、その地方自治体が責任を負います。

責任の内容は、怪我の治療費や親の付き添い費、怪我の程度が酷い場合は、慰謝料等も加算されます。公園の管理の手抜きが酷いような場合は、管理者が刑事責任(罰金を払ったり刑務所に行ったりします)を負うこともあります。

地方自治体は、このような場合に備え、保険に入っています。子どもが怪我をした場合は、管理している地方自治体に申し出てください。

地方自治体が管理している公園であれば、管理もしっかりしていますし、保険もあります。問題は、マンションに付属するような公園です。マンションの管理組合がしっかりしていれば保険に入っていますが、そうでないところもあります。その場合に、法的責任を追及するのは困難になります。そのような場合は、弁護士に相談してください。

 

■一緒に遊んでいる子どもが原因の場合

一緒に遊んでいる子ども(Aとします)が原因で子ども(Bとします)が怪我をした場合は、その子どもAの親の責任が問題となります。

怪我をさせた子どもA自身は未成年者ですので、原則として法的な責任は負いません。ただし、Aが石を投げたとかBを高いところから突き落としたとか、酷い行動をしたような場合は、Aが児童相談所や警察に補導されることがありえます。

Aの親の責任に戻りますが、Aの親は、Aを養育看護する責任を負っていますので、Aの不注意によって他人(B)に損害を生じさせた場合は、親が責任を負います。責任の内容は、公園の管理者の責任と微妙に異なります。

公園の管理者の責任は無過失責任と言われ、管理に落ち度がなくても全責任を負いますが、Aの親の責任は過失責任ですので、Aに不注意がなければ責任を負いません。過失の有無の判断は非常に難しいので、弁護士に相談してください。

何かあった場合に弁護士に相談するのは結構ですが、何も起こらないのが一番良いと思います。子共が怪我などしないように親がしっかり見守って上げてください。

 

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

星 正秀 ほしまさひで

星法律事務所

東京都中央区銀座2−8−5石川ビル8階

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