警察による「所持品検査」を拒否するシンプルな方法…弁護士が解説

みなさんは警察官から所持品検査をされた経験ありますか?

職務質問とほぼセットになっている所持品検査ですが、そもそも警察の権限として行っているのでしょうか?また、拒否はできるのでしょうか。

職務質問よりも謎に包まれている所持品検査について今回は解説してみます。

かばん

■所持品検査の法的根拠

意外に思われるかもしれませんが、職務質問と違って、実は明文で所持品検査を規定している法律はありません。

つまり、警察官に明確に所持品検査の権限を与えている条文はないのです(逮捕されている被疑者に限っては、身体に凶器がないか調べることができるとする規定があります)。

とすると、警察官は何らの権限なく所持品検査を勝手に行っているかというと、もちろんそうではなく、判例では職務質問(警職法2条1項)に付随する行為として、許されると解釈されています。

 

■どこまで所持品検査できる?

所持品検査は明文の規定がないため、職務質問に付随してどのようなことまで可能かも法律の明文で決まっているわけではありません。

そのため、結局は個々の事案ごとに適法・違法を判断することになっています。

具体的には、判例では、所持品検査が適法となる基準として、「所持品検査の必要性、緊急性、所持品検査によって害される個人の法益(検査される人の不利益)と保護されるべき公共の利益(犯罪の嫌疑・捜査の必要性)の均衡を考慮し、相当と認められる」かどうかを目安にしています。

このように、判例が所持品検査を適法とする判断基準は抽象的で何も言ってないに等しいようにも思えますが、要するに、犯罪の嫌疑、捜査の必要性、検査の態様、被検査者が被る不利益を総合考慮して、社会通念上相当なものであれば適法という考え方です。

実は、この基準、職務質問が許される基準(「職務質問を拒否したらどうなる?拒否する方法とは」参照)と大変似ています。

 

■拒否する方法

所持品検査も職務質問と同じく、令状によらない「任意処分」ですので、基本的には明確に拒否しているのに、警察官が強制的にバッグを開けて中身を取り出したり、勝手にポケットに手を突っ込んで中身を取り出すことは違法です。

したがって、拒否するには、明確に拒否の意思を表明することが必須です。

他方、判例では、犯罪の嫌疑が強く、所持品検査の必要性が高い状況では、承諾がなくてもバッグを開けて中身を一瞥する行為や、服の外側からポケットに触れて中身を出すよう説得する行為は、適法とされています。

 

■ディズニーランドなどで行われる所持品検査

コンサート会場やディズニーランド、AKBの握手会でも所持品検査が実施されますが、これは警察官の所持品検査とは全くの別物です。

これら民間イベントの所持品検査は、捜査機関が行うものではないため、上記の所持品検査の限界は当てはまりません。

民間の場合、危険物を所持する人の入場を拒否することは自由ですので、主催者が求める内容の所持品検査に応じない人の入場を拒否しても、違法となることはまず考えられません。

以上、所持品検査が適法となる範囲を説明しましたが、職務質問と同様、結局は素直に応じた方が早く面倒なことから解放される場合が多いでしょう。

 

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

星野 宏明 ほしのひろあき 弁護士

星野法律事務所

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