某居酒屋でメニューと全然違う商品が出てきたと話題に…法的に問題ないの?

最近、ある居酒屋で、メニューの写真とは明らかに分量の少ない料理が提供されたと話題になっています。

投稿者はメニューの写真と実際の料理を比較した写真をTwitterへ投稿し、大きな話題となっています。

このような場合にお客としては、注文を取り消したり、料理代金を返してもらうよう請求することができるのでしょうか。

watami

■居酒屋がお客に対して負う義務とは?

まず、お客と居酒屋との間では、お客からの商品の注文(申込み)に対して、居酒屋側がその注文を受ける(承諾)ことによって、飲食物の提供についての契約(飲食物提供契約)が成立することになります。

そして、当該契約に基づき、居酒屋は、注文どおりの商品をお客に提供する義務を負い、お客は、商品代金を支払う義務を負うことになります。

 

メニューとは異なる料理が出てきた場合にお客が主張できることは?

居酒屋としては、メニューに記載されている料理と同等の料理をお客に提供する義務を負っていますので、メニューの記載と比較して明らかに分量の少ない料理を提供することは、当該義務に違反し、居酒屋は、債務不履行責任(民法415条)を負うことになります。

そのため、お客は、債務不履行に基づき、当該注文をキャンセルしたり、料理代金を支払わないと主張することができます。

また、お客は、メニューに記載されているような分量だからこそ注文したのであって、メニューとは明らかに分量の少ないものであれば注文しなかったでしょうから、錯誤(民法95条本文)に基づき、当該注文をキャンセルしたり、料理代金を支払わないと主張することもできます。

 

すでに料理を食べてしまった場合は?

ただし、すでに料理を食してしまった場合には、お客としては、メニューとは異なる料理の提供を了承したことになりますので、もはや債務不履行や錯誤無効を主張することができず、料理代金を支払わないと主張することはできません。

そのため、もし、メニューとは異なる料理が出てきた場合、その料理に手を付けてしまう前に、注文をキャンセルするか、メニューどおりの料理を提供するよう主張する必要があります。

 

景表法違反の可能性もある

なお、民事上の責任のほかに、実際には、皿には隙間のほうが多いくらいの分量の刺身しかのっていないのに、メニューでは、皿にあふれるほど身のある刺身がのっていると表示し、商品の内容について実際のものよりも著しく優良であると消費者(お客)を誤信させていますので、「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)にも違反する可能性があります。

そのため、居酒屋に対しては、景表法に基づき、行政から、当該違反行為の差止めなどの「措置命令」が下される可能性があります。

 

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

*画像は@deadheadsatより

理崎 智英 りざきともひで 弁護士

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

コメント

コメント