ユニクロのバイトが語った実態を弁護士が検証したら全部違法でした

ユニクロでバイトをしていた経験のある学生4人が「ユニクロの実態」について語った記事が話題になっていました。

記事の中ではサービス残業の存在や、欲しくない服を半ば強制的に買う、さらに胸ぐらを掴まれた経験などについて赤裸々に語っています。

そこで今回は記事の中に出てきたいくつかの点を法律的に見るとどうなるのかを検証してみたいと思います。

 

ユニクロ

 

■バイトがサービス残業

バイトも、ユニクロという事業によって使用される者で、賃金を支払われる者で、「労働者」といえますので、当然のごとく、労働基準法の適用があります。従って、残業をしたのであれば、それは時間外労働になりますので、当然の如く残業代の請求ができます。つまり、サービス残業をさせることは違法です。

 

■ユニクロの服を着て接客するため、欲しくない服を半ば強制的に買う

服を買うか買わないかは、つまり、売買契約をするかしないかは、その方の自由であって、強制されることはありません。売買契約を強要されたということであれば、その契約は強迫によるもので取消の対象になります。

また、自由な売買があったように見せかけ、売買代金を給料から引かれたということになれば、これは賃金は全額を支払わなければならないとする労働基準法に違反することになります。いずれにしろ、強制的に買わせる行為は、違法です。

 

■バイトの評価をみんなが分かるところで発表

バイトの評価の内容が良ければまだ良いが、悪い内容の評価であれば、それをみんなが分かるところで発表することで、働きがいを失わせ、やがては職場に居づらくさせ、退職に追い込むなどのいじめ行為そのものになります。人格権侵害、プライバシー侵害として、違法な行為であることに間違いありません。

 

■休憩中にDVDを見て勉強

労働基準法上は、休憩時間は、労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。DVDを見て勉強させるのは、業務の一環と言えますので、労働から離れているとは到底言えません。従って、バイトに休憩中、そのような勉強をさせることは、もちろん違法な行為になります。

 

■急に胸ぐらをつかまれました

これは単純に「暴行」であり、刑法上の暴行罪に当たるほか、民法上も不法行為になります。胸ぐらをつかんだ理由が「教育のため」であったとしても、明らかに合理的な範囲を超えたものであり、違法であることに間違いはありません。

 

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)

画像はウィキメディア(わたらせみずほ)より

小野智彦
小野 智彦 おのともひこ

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