ブログで某企業を批判した男性に届いた「削除依頼」 応じる必要はあるのか

ある男性がブログに「ある会社の顧客対応が悪過ぎた話」を書いたところ大反響を呼び、多くのアクセスを集めことがありました。これは2009年の話ですが、当該会社の社名を検索すると公式サイトの次、つまり2番目に男性の書いた記事が表示される状況です。

悪評が広まってほしくない会社側としては、男性に「記事の削除」などの要望を出していたということです。

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男性のブログ

男性はツイッターで「本事実と相違する文言による信用毀損によって生じた営業被害額の算出も行うべきである意見も出ており」というメールが届いたことを明かし、「事実をただ日記としてブログに書いたのに」と漏らしている。

男性が事実に基づいた内容をそのままブログに書いていたとした場合、削除依頼に応じる必要はあるのでしょうか?また、ブログで批判することは問題なのでしょうか?

法律ではどう判断されるのかを解説したいと思います。

 

■ブログに書くにしても違法性がない内容にする必要がある

ブログに記事を書いてアップするという行為は、理論的には全世界に向けて情報を発信しているということと同義です。

ブログを書くことはもちろん個人の自由ですが、ブログの内容が他人の権利を侵害するようなものであれば、削除を求められたり、損害賠償を求められたりすることがあり得ます。

これは世界に向けて、自分の責任で情報を発信している以上、仕方がないことといえ、第三者の権利を侵害することがないようにしていくしかありません。

 

■どのような内容がNGなのか

では、どのよう内容であれば権利侵害がないといえるのでしょうか。

この点は、書かれた内容によるとしかいえませんが、一般的には、他者の人格を攻撃したり、虚偽の内容を書いている場合には、第三者の権利を侵害する可能性が高いといえます。

批判をすることは表現の自由として保障されているわけですが、それも他者の権利や利益を侵害しない限度で認められているにとどまるので、行き過ぎた表現は避けるべきといえます。

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男性のブログの冒頭

 

■真実であっても名誉毀損は成立し得る

ところで、「本当のことだから何でも書いてよい」と思いっている人は多いのですが、これはよくある誤解です。法的には、真実であろうと名誉毀損は成立し得ます。

もちろん、本当のことであれば最終的には違法性がないものとして、問題にされない可能性はあります。また、その内容を削除したり損害賠償を請求することが困難なことも多いです。

しかし、紛争に巻き込まれる可能性は否定できないということは覚えておくべきでしょう。

 

■削除に応じる「義務」はない

では、ブログ上にアップした記事について、削除を求められた場合、削除に応じる義務はあるでしょうか。

結論的に、裁判所から削除を命じられたわけではないので、「義務」があるわけではありません。つまり、応じなくても、原則としてペナルティがあるわけではありません。

しかし、削除依頼の理由とされている内容に納得できるものがあれば、それは他者の権利や利益を侵害しているということになるでしょうから、削除に応じるべきといえます。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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