皆さんはFacebookやTwitterを使っていますか?最近はInstagramやVineなど、写真・動画に特化したSNSも人気です。
文字以外に写真や動画を投稿する人も多いと思いますが、そこで度々問題になるのが「勝手にタグ付け」「勝手に写真公開」「勝手に状況をバラす」などの行為です。相手は悪気なくやった行為でも、やられた側にとっては大問題になる、などということもあり得ます。
このような「勝手なタグ付け」行為は法律上問題はないのでしょうか。
■プライバシー侵害が成立する余地がある
勝手にタグ付けされることにより、自分がどこで誰といつどのように交流していたのかということが公開されてしまうことになります。
自分が公開されても気にしないというものであれば問題にはならないわけですが、公開されたくないと考えていた場合、たとえば、彼女には会社の会議があると言っていたのに実は合コンに行っていたということが判明したということがあるかもしれません。
このような場合、タグ付けされた人物は、自分の個人的な状況を公開されてしまったわけなので、プライバシー侵害を主張していくことができることになります。
すなわち、プライバシーは多義的ですが、一般に、私生活上の事実または事実らしく受け取られる情報で、一般に知られておらず、一般人なら公開を欲しない情報を指すとされます。また、プライバシー権は自己の情報をコントロールする権利とも理解されるようになってきています。
自分がいつ、何をしていたのかということがタグ付けによって明らかになり、それは一般に知られていなかったことであるにもかかわらず、インターネット上に公開されたわけなので、プライバシー侵害が成立し得ることになります。
また、タグ付けされたくないのにタグ付けされたということで、自己の情報をコントロールする権利を侵害されたということもできます。
■プライバシー侵害の効果は差止めと損害賠償
プライバシー侵害が成立すると、侵害している者に対して、その削除と損害賠償を請求していくことができます。
この点は、タグ付けした者に悪気があったかどうかということは関係がありません。
安易なタグ付けをすれば法的責任を負う可能性があるので、タグ付けをする際はきちんと同意を取るようにするべきでしょう。
あわせて、「これは怖い!Twitterの「ものまねアカウント」で懲役の可能性」も読んでみてください。
*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)