愛するペットに遺産を…注目される新たな手法とは

先日、国内初のペット信託が設定されたとの新聞報道がありました。

最近は、ペット医療の発展や室内飼いの増加からペットの高齢化も進んでいるそうです。そうなると、高齢者がペットを飼っていた場合、自分の方がペットよりも早く亡くなってしまうこともありえます。

自分の子供同然に可愛がっていたペットを残して亡くなる場合、残したペットの面倒を誰にみてもらうかは、切実な悩みだと思います。

そこで、今回は、ペットのために財産を遺せるかということを検討してみたいと思います。

ペット信託

この点、アメリカでは以前から、信託という方法を使ってペットに財産を遺すということが認められていました。平成19年には、アメリカの大富豪が、飼っていたマルチーズ(その名も「トラブルちゃん」)に約14億円の遺産を遺したということで話題にもなりました。

それでは、日本においてペットは相続の際にどのように扱われるのでしょうか。

■日本ではペットに相続できる?

まず、大原則としてペットは生き物ですが法律上は動産として扱われます。

その結果、ペットが権利の主体にはなれないのはもちろんのこと、法律上、時計や指輪などと同じように動産として相続の対象になります(実際に遺産分割協議でペットが問題になるケースは極めて稀と思います)。

では、ペットの面倒を特定の誰かに依頼したい場合はどのようにすればよいでしょうか。

従前は、負担付遺贈という方法が取られていました。これは、ペットを管理してもらいたい人に「ペットの管理をすること」を条件にして、ペットとペット用の財産を遺贈するとの遺言をする方法です。

ただ、この方法には、ペット用の財産と遺贈を受けた個人の財産が混ざってしまう、ペットを自分の物と同一の注意義務で管理すれば足りてしまうなどのデメリットがありました。

■信託という手法を使えばOK

このような中、平成19年に信託法が改正され、受益者の定めのない信託が認められるようになりました。これにより、自分の死後にペットの世話をしてもらうことを目的として信託を設定することも可能になりました。

信託であれば、個人の財産とペット用の財産を分けて管理する必要がありますし、善管注意義務と言って、自分の物よりも高い注意をもって管理をしてもらえることになります。

このように信託という手法を使えば、事実上、ペットのために財産を残すことができるようになりました。

とはいえ、残念ながら現在のところペット信託そのものを謳う信託会社は余りありません。そうすると、やはり、自分が亡くなった後ペットを安心して任せられる人や団体を見付けるということが重要なのだと思います。

武内 優宏 弁護士

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞が関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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